めまいとは
身体のバランスは、目からの情報、内耳(三半規管など)からの情報、足の裏などの触覚の情報などが、小脳に集められコントロールされ、大脳でちゃんとバランスがとれているという感覚を得ています。
この情報がすべて同じものとして感じられているといいのですが、何らかの原因で、情報にくい違いが生じると、脳は混乱をきたします。これが、めまいという症状です。
めまいの分類
症状による分類
- 回転性めまい:ぐるぐる天井が回る、もしくは、自分が回っている感じがする
- 動揺性めまい:ふらふら・クラクラと表現されることが多い
- 浮動性めまい:ふわふわと表現されることが多い
回転性めまいと動揺性あるいは浮動性の違いは情報の混乱の強さと速さによる違いで、それだけで、めまいの原因が内耳か他かを見分けることはできません。しかし、一般的に回転性めまいは内耳由来が多く、浮動性めまいはそれ以外のことが多い傾向にあります。
原因による分類
めまいの原因は大雑把に分類すると、次のようになります。
- 内耳由来のめまい(末梢性めまい)
- 前庭神経由来のめまい(末梢性めまい)
- 小脳・脳幹部由来のめまい(中枢性めまい)
- それ以外のめまい・めまい感
危険なめまいとは?
危険なめまいとは命にかかわるめまいです。すなわち、頭の中の病気で生じためまいです。内耳由来のめまいは苦しいですが、とりあえず命にかかわるものではありません(もちろん、高い所に上っている時にや運転中にめまいがすれば命にかかわります)。 頭の中のめまいと耳からくるめまいのちがいを見極めるポイントは、めまい以外の症状の有無です。めまいの強さや持続時間はあまり関係ありません。
- 物が二重に見える: 乱視は除きます。両目で物を見ようとした時に二重に見えるということは、眼を動かす神経がやられているということです。
- しゃべりにくい、ろれつが回らない: 舌を動かす神経がやられているからです。
- 手足にしびれや麻痺がでている: 特にどちらか一方の手足の感覚麻痺、運動麻痺が生じている場合。 ただし、過呼吸症候群でも手足がしびれることがありますがこの場合は両側。
- 激しい頭痛がする: 頭の中に出血が起こっている可能性があります。また、慢性的な頭痛の場合は腫瘍によって脳が圧迫されている可能性があります。
- 意識がなくなる: 耳からくるめまいでは決して意識がなくなることはありません(なくなりそうになる、とは時々言われる患者さんはいらっしゃいますが、明らかに意識がなくなることはありません)。
こうした症状を伴っている場合は、速やかに神経内科または脳神経外科のある病院を受診して下さい。 なお、吐き気、嘔吐は内耳由来でも脳由来でもおこりますので、区別には役にたちません。
めまいはどこの科でみてもらったらいいか?
めまいを起こす原因は多岐にわたっています。めまいの原因の主なものは、内耳と脳(特に小脳・脳幹部)ですが、循環器(心臓、血圧)由来のもの、頸椎の異常によるもの、精神的なものなどもあります。
さらに、貧血や眼の病気でもめまい感を感じる場合もあります。
めまいで病院にかかる時には、まずは内科や耳鼻咽喉科等のどちらでもよいと思いますが、めまいに精通しているDr.に見てもらう必要があります。
まずは皆さんが高血圧や糖尿病、高脂血症など動脈硬化をきたしやすい持病があるのでしたら、かかりつけの内科のDr.にご相談されるとよいでしょう。
また、耳鳴りや、耳が詰まった感じ、難聴などを自覚する場合は耳鼻科を受診されるとよいと思われます。
もちろん、耳の症状のない内耳由来のめまいもありますし、内耳由来のめまいでも動脈硬化など全身状態を把握しながら治療をしなければならないこともありますので、主治医の先生にご相談されるのがよいと思われます。
ただ、めまいの多くは(繰り返すかどうかは別として)徐々に落ち着きますが、内耳性で難聴を合併している場合、難聴は早期(少なくとも2週間以内)に治療を開始しないと固定してしまう場合があります。
難聴は、軽度の場合検査してみないとわからない場合もあります。
めまいがしていてしんどい場合は最寄りの医療機関で診てもらうことでよいと思いますが、落ち着いてきましたら、一度耳鼻咽喉科を受診しておく方がよいと思います。
めまいの検査
めまいについては、多くの原因があるために、「この検査をしたら原因がわかる」というものではありません。多くの検査が存在するために、ここでは概論のみ記載し、詳しくは別ページで解説いたします。
- 理学的所見に関する検査
- 眼振・眼球運動に関する検査
- 姿勢制御に関する検査
- 聴力に関する検査
- その他の検査
めまいに関するよくある質問
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