Let’s Study 栄養学2 Vitamin D vol.2

続きは次回、
と書いておきながらちょっと時間が経ってしまいました。
実は原稿をある日記帳ソフトを使って書いていたのですが、
なぜか急に稼働しなくなってしまい、
復旧を試みたのですが、何とも出来ず、
結局書き直す羽目になってしまい時間がかかってしまいました。

最近PCから離れる時にスリープしようとすると
頻繁に再起動を要求してくるのですが、
もうちょっと待てと無視してスリープにしているにもかかわらず、
戻ってきたら勝手に再起動されていたりして、
なんか動きが怪しい。
Microsoft Edgeも頻繁に更新されるし、
なんかイヤです。

と、グチやら言い訳やらわからないことで、
時間をとってしまいました。
気を取り直して、栄養学の話に戻りましょう。

ビタミンDの生理作用
まず第一に挙げられるのは血中Ca濃度の調節です。

血中Ca濃度が低下すると
⇒活性型ビタミンDの合成が促進されます。
すると、
(1)小腸粘膜におけるCaの吸収が亢進
(2)骨からのCa遊離が増加
(3)腎臓でのCa再吸収が増加
という3つの経路で血液中のCa濃度を上げようとします。

ですので、ビタミンDが欠乏すると、
Caを摂取していても小腸から吸収できず、
骨のCaが溶け出してきます。

つまり、ビタミンDの欠乏症としては:
乳幼児・・・くる病
成人・・・・骨軟化症、骨粗鬆症
などが生じやすくなります。

ビタミンDは太陽の光(紫外線)によって皮膚で合成されますが、
昔、イギリスで産業革命が起こった頃、
工場から排出される煙によるスモッグがすごくて
太陽の光が届かなくなった結果、
多くの子どもがくる病になったとのことです。

現代ではそこまでの大気汚染もなくなり、
よっぽど特殊な状態でないと
くる病はあまり見かけないかもしれません。

ただ、骨粗鬆症の方は
高齢社会に伴い問題視される様になりました。
現在、高齢者を中心に
ビタミンD製剤を処方されている場合が多くみられます。

ここで骨の代謝について見てみましょう。
(前述の『基礎栄養学』第8章ミネラルの栄養p.145を参照)

骨と運動・ビタミンDの関係
活性型ビタミンDが細胞内に取り込まれると、
細胞核内にあるビタミンD受容体と結合します。
すると、Ca結合タンパク質の遺伝子発現が促進されます。
これは腸管内でCa吸収にかかわる輸送タンパク質で、
腸管内の食物中のCaと結合し、Caの体内へ吸収が促進されます。
これが上述の(1)のメカニズムですね。

ただ、血中のカルシウム濃度の調節にはビタミンDのほかにも、
甲状腺ホルモン(カルシトニン)
副甲状腺ホルモン(パラトルモン) 
も重要な役割をすると言われています。

ここで注意しなければならないのは、
血中のCa濃度をしっかり保っていればそれでいいのかというと
そうでもないらしい。

吸収されたカルシウムの骨への沈着(骨形成)は、
適度な運動によって促成されるのだそうです。
つまり、
骨を強くするためには、CaやビタミンDの摂取とともに、
適度な運動を心がけることが大切なわけです。

このCa・骨に関する作用が、
ビタミンDの生理作用の最も大きなものですが、
これは今や古典的ともいえます。
むしろ、近年
ビタミンDのこのCa代謝以外の生理作用が注目されています。
でもその話は次回に。

ところで、ビタミンDの低下を中心にお話しましたが、
ビタミンDの過剰症ついても少し書いておきましょう。

ビタミンDの過剰症は、高カルシウム血症が生じます。
(まあそりゃそうか)
症状としては、
多飲多尿、倦怠感、吐き気、便秘、衰弱、腎障害、軟組織の石灰化
などがみられます。
また血管にもカルシウムが沈着すると動脈硬化が進行し、
血管性病変のアクシデントの危険が増加します。

一般的な日本人はビタミンDはどちらかというと
慢性的に不足気味なんだそうです。
日本人の98%が不足しているという報告もある様です。
このあたりは、ネットでビタミンDを検索すればたくさん出てきます。

ですので、一般的には過剰症はあまり気にする必要はない様ですが、
健康のためにとサプリで摂取する場合、
摂りすぎる場合もあるらしいので注意が必要です。

このあたり、もう少し勉強してから改めて書き足したいと思います。