最近、おもに心療内科等で処方される薬を
服用されている人が増えた様に思います。
以前から徐々に増えてきたなとは思っていましたが、
新型コロナ感染症が流行し出してから
その傾向が一層強くなってきた様に思います。
また、心療内科を受診しようと思ったけど
全く予約ができないという話もよく聞きます。
漢方では特に「心身一如」という考え方をします。
こころとからだは一つとして捉えて治療にあたるという原則です。
僕も漢方はよく使うからということもありますが、
病気のほとんどは(花粉症などアレルギー性鼻炎や風邪でさえも)
・・・その比率は病気によって大きく異なるとは思いますが、
多かれ少なかれ、何かしらの精神的な状態と
関連があるのではないかと思っています。
ここで注意したいのは、
精神的な苦痛を自覚していて胃が痛くなるみたいに
メンタルの不調がダイレクトに身体に反映されることももちろんありますが、
本人がストレスを自覚していない様な場合も結構あるものと思います。
そんなことを日頃から考えていたところこんな本を見つけました。
『小さな町の精神科の名医が教える メンタルを強くする食習慣』
メディカルストレスケア飯塚クリニック院長 飯塚 浩, アチーブメント出版
本を読み進めていくと、
日頃何となく感じていたことがきちんと書かれていたり、
中には全く知らなかった話にも出会い、勉強になりました。
所々、気になったところをかいつまんで書いてみます。
詳しくは本書をお読みください。
まず
第1章:現代生活がメンタル疾患を激増させる
<現代人が陥りがちな「プチ依存症」>p.22
”精神科を受診する患者さんで、
メンタルだけが突然おかしくなったという人はまずいません。
「肩こりがひどくて」「胃が痛くて」「最近眠れなくて」と、
様々な身体の不調が出て、最後にメンタルに支障が起こります。”
” 普段から皆、ちょっとずつ無理をしているのです。
積もり積もったストレスをお酒で紛らわす。
身体はますます不調になる。
それを繰り返した結果、メンタルも不調になる。
からだのアンバランスの行き着く先がメンタル疾患なのです。”(p.24)
お酒だけではありません。
”お酒よりもお金がかからず、依存できるものが、
ジャンクフードやお菓子、糖質たっぷりの食事です。
こうしたものを食べて蓄積されたストレスをごまかそうとする行為は、
アルコール依存症と同じです。
これは単なる嗜好性だけでなく、
ストレスでバランスを崩した心とからだをごまかすプチ依存症です。”(p.25)
< 不必要なエネルギーを消耗している現代人>p.28
” 私たちが何らかの理由により無理をする場合、
生理学的なストレス反応として
HPA(視床下部ー脳下垂体ー副腎皮質)軸や
SAM(視床下部ー交感神経ー副腎髄質)軸が活性化されます。
(中略)
この闘争・逃走反応が繰り返されると
コルチゾールが分泌されっぱなしになり、
血圧や血糖の上昇が慢性化します。
これは 不必要なエネルギーの消耗を起こしている状態と言えます。”
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最初の方にも書きましたが、
僕は基本的には、病気とメンタルは多かれ少なかれ
何らかの関連があると思っています。
(その関与の割合は病気によって、
あるいはその人によって違うとは思いますが)
そして、メンタルは
生活習慣・生活スタイルとも大きく関わっているとも思います。
関係の薄いのは偶発的な事故と遺伝的な病気くらいかもしれません。
生活習慣・生活スタイルはその人がどのようにして育ってきたかとか、
最近では腸内細菌をはじめとする全身の微生物叢が
病気やメンタルまでも影響を与えているという話もありますので、
個人にその責任を求めるのは間違いだと思います。
しかし生活習慣や生活スタイルに歪みができていることに
気づくかどうかだけでも変わってくると思いますし、
腸内細菌叢なども意識しているかどうかだけでも、
病気の出方、進み具合は変わってくると思います。
長くなってきたので続きは次回。