青洟(あおばな)について

先日、当院に学生さんが研修に来られていました。

患者さんとのやりとりについて、学生さんから質問がありました。
「先生、『青い鼻』って何ですか?」

そうか、今の人は青洟(あおばな)を知らないんだ!

青洟とは、透明な水様性や粘性の鼻水ではなく、
黄色や少し緑がかった鼻汁のことだとお話しました。

昭和生まれで田舎育ちの僕なんかは、
幼稚園から小学生低学年の頃はよく鼻水をたらしていました。
今思えば、多少副鼻腔炎も併発していたんじゃないかと思います。
そして、鼻をティッシュでかむというような習慣もなく・・・

だいたいポケットティッシュなんて
気の利いたものはありませんでした(と思う)。
鼻かみ紙とか、ちり紙とか、言ってたようなちょっと柔らかい紙が
まとめて売られていました。

トイレもまだまだくみ取り式のポットントイレが多かった頃だったので、
トイレで使う紙も「おとし紙」なんて呼ばれていた時代です。
・・・って、ちょっと古かったかな。

もちろん、学校のトイレはさすがに水洗だったように思いますが、
学校で大きい方をするなんて、そりゃもう、はずかしくて、
大きい方のトイレに行きたくなったら、
必死でこらえて家まで帰った記憶が今でもよみがえってきます。

おっと、話がそれました。
そんなわけで、小さい頃は、鼻をかむ紙さえも
まだまだ十分ではなかったこともありましたが、
なによりも、格好に無頓着な子どもだったその頃の僕は、
よく服の袖で鼻水を拭いていました。
それで、服の袖がテカテカに・・・

・・・と、当時としては、どこにでもいる田舎のガキで、
(といいながら、小綺麗にしている子どもの方が多かったのでしょうけど)
まあその、なんです・・・今思い出すと、超恥ずかしい子どもでした。

それにしても、
最近は確かに「青洟」という言葉はあまり使わなくなってきましたね。
実際に子どもの栄養状態もよくなったこともあり、
副鼻腔炎が減って、アレルギー性鼻炎が多くなったため、
黄色や緑の鼻汁をたらしている子どもは減って、
透明の鼻水の子が増えたのも
青洟をみる機会が減った理由でしょう。

それでも、時にはそういう子どもをお母さん方が連れてこられます。
でも、その時のお母さんの表現も、
「黄ばな」とか「みどりっぱな」
という風に言う人が増えてきました。

確かに、言われてみれば、
Blueでもないのにどうして青洟と言っていたんでしょうね。

それについての考察は明日お話します。