先月11月20日に東京都が主催でオンライン研修会が行われました。
Zoomでの視聴ができたので、当日聴いていましたが、
メモする時間がなかったので残念だったなぁと思っていましたところ、
東京都福祉保険局からこの日の研修会の内容がアップされました。
対象は医療機関ではありますが、一般の方でも見ることができます。
> 東京都福祉保険局 後遺症について
(オンライン研修会については下の方にあります)
この研修会の中から、コロナ後遺症外来で全国的に有名な平畑先生の講義:
『診療所におけるコロナ後遺症診療の実際』
を聴きながら要点を抜粋してみます。
まず、新型コロナ感染症後遺症(以下Long-COVID)の症状について
典型的な症状は、
「入浴すると1日寝込む」
「かぼちゃを切ろう力を入れたら「だるくなって1日寝込んだ」
「家の階段を上がるだけで息がきれる」
「ドライヤーを持っていられない」
など、日常の普通の作業をすることができなかったり、
何らかの動作をした途端寝込んでしまうほどの倦怠感が生じるそうです。
そして、検査をしても異常がみつからず、
周囲の無理解で落ち込んでしまわれる人が多い様です。
Long-COVIDの発症率は報告によってかなり幅がある様ですが、
少なくとも10%程度、つまり10人に1人くらいが
なんらかの後遺症が出る様です。
ただ、いったんすべての症状が消えた人の場合、
その後症状が出てくる確率は低いようです。
主な症状としては、
倦怠感94.3%、気分の落ち込み87.2%、思考力の低下84.4%、
頭痛80.3%、息苦しさ76.1%、
以下:不眠、身体の痛み、動悸、食欲不振、発熱、咳、脱毛、嗅覚・味覚障害
と続きます。
こうした症状が出たり消えたりするそうです。
こうした症状をみると、COVID-19に罹った人はすぐに
「自分もLong-COVIDのかも」と考えてしまいますが、
決めつけは厳禁。
まずは他の病気が隠れていないかチェックが大切です。
行っておくべき検査としては、
>胸部X線(肺炎、心不全などのチェック)
>心電図(不整脈など)
>血液検査
血算(貧血、感染症、免疫低下など)
肝腎機能(肝機能障害、腎機能低下)
脂質(HDL、LDL、TG)
血糖・Hba1c(糖尿病)
抗核抗体(自己免疫疾患)
アミラーゼ、リパーゼ(膵炎等)
甲状腺機能(TSH、FT3、FT4:甲状腺機能低下症・機能亢進症)
電解質(Na、K、Cl、Ca)や微量元素等(Mg、Cu、Zn、Fe・フェリチンなど)
電解質異常でも身体の調子は悪くなりますし、
特に亜鉛は近年普段でも不足気味の人が多いようですが、
COVID-19のあとに減少していることもある様です。
CRP(主に炎症の度合いをみる基本的な指標)
トロポニン(心筋のダメージ)、BNP(心不全の有無)
ACTH・コルチゾール(副腎機能):ただし午前中に採血
などをチェックしておくと良い様です。
続きは次回