ポリヴェーガル理論とオキシトシン3

前回、心身ともにリラックスする時に働く腹側迷走神経が活性化するには
安心・安全を感じるためにオキシトシンが関与しているという話をしました。
しかし、オキシトシンは
腹側迷走神経にだけ影響を与えているわけではない様です。

交感神経、腹側迷走神経(複合体)、背側迷走神経(複合体):
上の3つの自律神経はそれぞれの独立した状態だけでなく、
もっと複雑に関係しあっています。
たとえば、腹側迷走神経と交感神経がブレンドする様な場合
つまりリラックスしながら活動的な行動をとるという場面です。

これに当てはまるのが、「あそびplay」なんだそうです。
子どもというのは、よくじゃれあっていますよね。
犬や猫なんかも追いかけっこしたりしています。

この「あそび」は哺乳類特有のものらしく、
安心・安全を感じる場面だからこそ、
「あそび」を行うことができるし、エキサイティングにもなれるわけです。
・・・鳥類も結構あそぶ様な気がするのですが、
この本では一時的・偶発的なもので持続的な社会行動としての
あそびは哺乳類に特有なものなんだそうです。

まあ、鳥類のことは置いておいて、哺乳類に関して言えば、
腹側迷走神経+交感神経の状態である「あそび」にも
哺乳類特有のオキシトシンが関与してそうです。

また、背側迷走神経と交感神経がブレンドした状態は、
ポージェス博士は最初「愛love」と呼んでいたそうで、
パートナーと愛を育む時というのは、
一般的には安心・安全を感じる場所で寄り添う必要があるからです。

まあ、吊り橋など危険なところを一緒に経験すると相手のことを惚れやすくなる
という「吊り橋効果」みたいなものとか、
拘束や監禁事件などで、被害者と加害者が時間と場所を共有することで
何かしらの好意や共感、信頼を生むみたいな「ストックホルム症候群」
なんてものもあるみたいですが、これは特殊な例でしょう。
愛が育まれるとき、背側迷走神経と交感神経の活性化が生じますが、
ここにも安心・安全は必要で、ここにオキシトシンか関与するわけです。

つまりオキシトシンが、
腹側迷走神経に影響を与えるとリラックス、
腹側迷走神経と交感神経のブレンドに影響を与えると場合には、
他人との間で「あそび」を通じて絆が形成され、
背側迷走神経と交感神経のブレンドに影響を与える場合には、
パートナーとの間に絆が形成されるというわけです。

そしてさらに、オキシトシンがこうした自律神経に影響を与える際に
もう一つ生体物質が絡んでいるらしいのです。
このあたりのことをうまく現した図が
『ポリヴェーガル理論への誘い』のp.184にありました。

オキシトシンは本来他者とのつながりに関与する物質で、
そこにドーパミン(報酬系)が関与すると「あそび」が形成され、
そこにセロトニン(抗不安)が関与すると「愛」が形成されるというわけです。

交感神経・副交感神経((腹側・背側)迷走神経)、
オキシトシンとセロトニン、ドーパミンとなどが絡み合って、
人間の活動が形成されているというわけです。

なーんとなく、パズルのピースが一つハマった感じがしませんか?

この3つの生体物質について、誰か何か言ってるかな?
そう思ってネットで検索してみました。
すぐに出てきました。
今やネットで検索すればたくさんの情報が得られますね。
こうした情報をもとに、自分なりに
セロトニンやドーパミンについてももう少し考えてみたいと思います。

とりあえず今日はここまで。