COVID-19はオミクロン株に変わってからというもの、
第6波がまだまだ続いた状態です。
オミクロン株はそれまでの変異株とは
多くの点で異なっています。
・伝搬力が非常に強いこと
・今まで罹りにくかった子どもがよく罹ること
・重症化することが少なくなったこと
(ただ、重症化率が少なくなったとはいえ、
罹る人が増えたので総数としては多くなり
医療が逼迫しているのは皆さんご存じかと思います)
どうしてなのか、
ここのところネットで調べていました。
それまでのSARS-Cov2ウイルスは、
細胞に侵入する際にACE2受容体を足掛かりに侵入する
と言われており、その親和性が強くなったのでは?
という話が多かったのですが、
もともと子どもはACE2の発現が少ないらしく、
その説ではちょっと無理があるようにも思えます。
また、ACE2に対する親和性が強くなったのなら、
肺に多く発現しているのですから、
これまで以上に肺炎をきたす人が増える様にも思います。
いろいろネットで探していたら、
内科の先生が書かれていたことが最も腑に落ちる説明でした。
>オミクロン株の実態がほぼ究明できました
なるほどと思いながら、
その根拠となりそうな論文を探していたのですが、
どうもうまく当たらずネットをさまよっていたところ、
ちょうど先日のnature(2月24日版)に総括が出てきました。
>Omicron’s lasting mysteries: four questions scientists are racing to answer
(オミクロンの永遠の謎:科学者たちが答えを急いでいる4つの質問)
オミクロン以前の SARS-Cov2 ウイルスは、
先に書きましたがACE2受容体を足掛かりに、
やはり細胞表面に現れているTMPRSS2という酵素を利用して
宿主(人間)の細胞に入り込んでいたのですが、
オミクロン株はこのルートを放棄して、
細胞に飲み込まれるままにするエンドサイトーシスという
ルートから侵入する方法に切り替えたようなのです。
このTMPRSS2は肺の細胞に多く出現していたので
肺炎をきたしやすかったのですが、
肺までたどりつく必要がなくなったので、
肺炎が少なくなったということなんだそうです。
以前、日本人はコリンセラ菌を保有している人が多く、
このコリンセラ菌が胆汁酸を
ウルソデオキシコール酸(UDCA)という物質に変え、
このUDCAがACE2にウイルスがくっつくのを
ブロックしてくれるので
日本人にはCOVID-19の感染しにくいのかもしれない
という話をしました。
>SARS-Cov-2と腸内細菌3
ACE2を介さないために、UDCAによるメリットが
半減してしまったのかもしれません。
(サイトカインストームを予防する効果はまだありますが)
だから第6波での感染者数は桁が違うのかも。
(ま、ウイルス学の専門家でないので本当のところはわかりません)
ところで、natureの記事には他にも
4つの疑問について書いてあります。
・どうしてそんなに感染力が強いのか?
・重症化しないのですか?もしそうなら、なぜですか?
・オミクロンに対する完全な免疫反応とは?
・次に来るのは何だろう?
興味をお持ちの方は読んでみてください。