前回からのつづき
名古屋大学と共同研究グループは、
日本を含むOECD10か国の健常者の腸内細菌を比較したそうです。
その結果、腸内細菌の中でCollinsella(コリンセラ)属の細菌が少ないと、
COVID-19で死亡する確率が増加すると予測されることがわかった様です。
腸内細菌が悪さをするのではなく、重症化を抑えてくれるという発想でした。
(グラフは元記事より転載(以下同じ))
横軸は細菌の種類(属レベル)、
縦軸はCOVID-19死亡率を予測する指標の様です。
腸内細菌をどれくらいの種類、どれくらいの量持っているかは、
生まれた国、食べているもの、年齢、生活習慣等によって、
ある程度傾向があるのですが、
大きく5つのパターンに分けられ、
これをエンテロタイプと呼ぶそうです。
コリンセラ属はエンテロタイプの1型に多く
2型を除いて、エンテロタイプが3,4,5型にいくにしたがって
減少しているのだそうです。
縦軸はコリンセラ属の豊富さを示します。
アジアの国々の人ではエンテロタイプが1型の人が多く、
ヨーロッパやアメリカでは4型や5型の人が多いのだそうです。
そして、COVID-19による死亡率はエンテロタイプが
1型から5型に向かってきれいに増加しています。
エンテロタイプの2型はコリンセラ属が少ないにもかかわらず
COVID-19の死亡率がそれほど多くない理由はわかりませんが、
他の菌が同じような働きをしているのかもしれません。
それでは、コリンセラ属が腸内多いと
なぜCOVID-19の死亡率が低くなるのでしょうか?
名大グループでは、
それは胆汁酸の代謝と関係があるのではないかと考えた様です。
続きは次回。