ヘスペリジン:COVID-19の予防・・・になるかな?

以前、Webinarで京都府立医大の内藤教授の講演を聴いた話をしました。
その時に、SARS-Cov-2関連の話として、
ウイルスに結合して不活化できる可能性のある物質を調査したところ、
ヘスペリジンというフラボノイド化合物が浮かび上がってきた、
というお話がありました。
Webinar:「粘膜バリア機能とマイクロバイオームから漢方薬を考える」2 

ちょっと興味があったので、少し調べてみました。
ヘスペリジン研究会」なるものがあるんですね。
以下、同研究会からの抜粋です。

”へスペリジンは、温州みかんなど柑橘類の果実の皮や袋から抽出された有効成分です。
紫外線から果実を守るために含有されるポリフェノールの仲間であるために、完熟したものよりも未完熟の青い果実に、より多く含まれています。
みかんの果実や皮は、風邪をひきやすい冬のビタミン補給源として、また体を芯から温める冬至のゆず湯などに、古くから活用されてきました。
またヨーロッパでは、その有効成分が血管系疾患、リウマチ・関節疾患の医薬品製剤として使われるなど、薬効が高く評価され、役立てられてきた天然の有効成分です。”

この研究会、
林原、江崎グリコ、伊藤園が主体となって運営されている様です。

そこで、江崎グリコのHPのヘスペリジンのサイトに飛んでみました。

”「ヘスペリジン」はフラボノイド骨格を持つポリフェノールの一種で、陳皮の有効成分。柑橘類(特に熟す前の青みかん)の皮や袋、スジなどに多く含まれ、毛細血管の強化作用があることが発見された。「ヘスペリジン」は、かつては「ビタミンP」とも呼ばれていた。”

なるほど漢方生薬の「陳皮」の有効成分なんですね。
陳皮を含む漢方薬というと、
補中益気湯、六君子湯、五積散、香蘇散、茯苓飲、胃苓湯
があります。

以前、このブログで、
補中益気湯の抗インフルエンザ作用について書いたことがあります。
補中益気湯の抗ウイルス作用

補中益気湯の抗ウイルス作用の一つは、
陳皮に含まれるヘスペリジンが関与するのかもしれません。

ヘスペリジン研究会のHPを見ると、
ヘスペリジン(水溶性を高めるために糖転移型にしたものですが)には、
他にも次の様な身体に良さそうな作用があるそうです。
血清脂質改善作用
血流循環改善作用
生体調節機能是正作用
血圧上昇抑制作用
ビタミンP作用
ビタミンC消耗抑制作用
免疫調節作用
骨代謝改善作用
抗酸化作用
中々目が離せませんね。

ところで、ヘスペリジンを検索していたらこんな論文を見つけました:
Is hesperidin essential for prophylaxis and treatment of COVID-19 Infection
(ヘスペリジンはCOVID-19感染の予防と治療に不可欠ですか)

これについては次回。