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今回はのどの異物感について
のどの異物感・不快感についての話は、
それだけで1つの本が書けるくらい色々なことが考えられると思いますが、
一般的に多いものをあげておきます。
1.後鼻漏感
実際に後鼻漏がある場合とそういう感じがするだけの場合があります。
後鼻漏がある場合:
それが粘性・膿性の場合副鼻腔炎の存在が疑われ、
水様性の場合、アレルギー性が疑われます。
こうした場合は原疾患の治療を行います。
明らかな後鼻漏がないのに流れている感じがする場合:
副鼻腔のCTを撮っても全く副鼻腔炎はないと言われた場合などですね。
これをどう考えるかは難しいところですが、
神経症(意識が集中しすぎ)という考え方もありますが、
本来粘膜を保護している粘液
(1日に何リットルも流れていると言われています)
の成分に何らかの変化があって、
粘性等が変化して感じる様になっている場合もあるかと思います。
ただ、それを検査で明らかにすることは
現在の一般的な臨床レベルではできていません。
このタイプの治療はなかなか難しいのですが、
粘液調整剤・漢方薬・自律神経調整薬などで
根気よく診ていくことになります。
後鼻漏がある場合も、あるいはしない場合もありますが、
上咽頭という、鼻の奥ののどに移行する部分にある
扁桃腺と似た組織(アデノイド)の慢性炎症の場合があります。
この場合、塩化亜鉛を同部に塗布する治療が有効ではないかと考えます。
2.扁桃(扁桃腺)・咽頭
扁桃の慢性炎症。膿栓もここに入ります。膿栓については別項で。
その他、舌根扁桃という、舌の根元にも別の扁桃腺があるのですが、
これが慢性的に腫れている場合もあります。
症状が強い場合は、抗生剤や消炎剤を用い、軽度だが持続する場合は、
消炎剤や漢方薬などで経過をみていくことが多いように思います。
3.逆流性食道炎
近年結構多いのが逆流性食道炎です。
実際に胃酸が上がってくるのを自覚しない場合も結構あります。
PPI製剤という胃薬が有効なことが多いので
試してみるとよいかもしれません。
ただし、下咽頭や食道の腫瘍などを除外しておくことも必要です。
4.甲状腺
のどの違和感で来院される方もいらっしゃいます。
他に異常がない場合は甲状腺も一度診ていただくといいでしょう。
5.心因性・機能性
色々な検査をしてもどこにも異常がみられない場合に
ここに分類されることになるかもしれません。
身内に咽頭がん・喉頭がん・食道がんなどの方がいらっしゃったりすると、
気になってしまします。
昔から漢方では梅核気という名称でそうした症状がありました。
梅の種がのどにひかかっている感じです。
一通り検査をして異常がなければ、
症状がある間は定期的に時々検査をしながら診てもらいましょう。
時間経過ではっきりする場合もあるかと思います。
(といいながら、たいていの場合は異常がない場合が多いのですが)
明らかな病変のない場合、
漢方薬(半夏厚朴湯、柴朴湯など)が有効なことがあります。
<咽頭・喉頭>