神様に感謝

特小さな子どもの耳垢とりは、お母さんにとっては結構な心配事です。
特に耳掃除をいやがる子の耳垢とりとなったら大変です。

そこで、街の耳鼻咽喉科の登場です。

いやがる子どもを押さえつけて、泣き叫ぶ子どもの甲高い声をBGMに、
耳垢をとっていきます。

黙々と、あるいは、涼しげに耳垢を除去している・・・
と見えるかもしれませんが、実際には内心ではいつもヒヤヒヤです。

専門家であっても、顕微鏡や専用の器具があったとしても、
やっぱり難しいものは難しいです。

まあ、それでもおかげさまで、
何とか無事にきれいに掃除をして帰ってもらっています。

耳の穴(外耳道)の長さは、大人で3.5cm、
子どもの場合はそれよりもう少し短く2~3cmといったところですが、
耳垢がたまるのは、外側の半分くらいまで。

ですので、本来ならば耳垢を奥に押し込んでいなければ、
耳垢の塊から鼓膜までの間に、1cm程度の距離があります。
この1cmがあるだけで、どれだけ救われることか・・・
多少子どもが動いても、何とか鼓膜を傷つけずにすみます。

僕はこの1cmは神様からのプレゼントだと思っています。

そして、うまく耳垢を除去することができたら、
涼しい顔をして、「ハイ、できあがり!」と言って、
患者さんを送り出しながら、
「神様、ありがとう!」と内心つぶやいているのです。
※でもね、時々奥にびっしりと耳垢を押し込んでしまって、
来院される方もいらっしゃいます。
そうなると、途端に難易度が上がります。
それでも大人の場合は、まだ何とかなりますが、
動く子どもの場合は、最高級に難易度が高くなります。
こういう場合は、耳垢を柔らかくするお薬を点耳してから、
吸い取るなり、洗い流すなどして少しずつ除去していきます。

<診療の合間>