昨年、新型コロナ感染症の感染拡大が始まった頃から、
地方自治体の首長を初めとするお役所の皆さんは、
住民の生命の危険を最小限に抑えつつ、
経済や社会生活の崩壊を来さない様に、
微妙な舵取りに日々お忙しいことと思います。
関西で言えば、(最近はちょっと減りましたが)
大阪の吉村知事は連日対策に追われ、
その姿がテレビに映し出されていました。
この時、吉村知事のコメント等の前後に、
だいたい決まって一緒にテレビに出てくるのが
大阪府庁の正面玄関です。
この玄関には、右から左に「大阪府庁」と書かれています。
昔の建物そのままなので右から読むというのも歴史を感じますが、
府庁の「庁」が旧字体「廰」で書かれていることに気づきました。
「庁」と「廰」、
2つの字を見ていたらちょっとした考えが湧き上がってきました。
この2つ、字が単に新旧の字体の違いだけではない様な・・・
以下、あくまで妄想です。
「庁」と「廰」、両方とも「まだれ」という部首を有しています。
まだれと言う部首は、
それ自身が建物関連であることを示しています。
「庁」の「丁」は丁半の丁で偶数を意味する場合もありますが、
Wikipediaを見ると「安定」みたいな意味もある様です。
ですから、
庁舎の「庁」は社会の安定のための建物(役所)という意味です。
実際、「庁」を、ネットで検索してみると、
これもWikipediaから引っ張ってきますと、
”庁(ちょう):1.公務員が職務を行う場所、建物、役所。”
と書いてあります(2.以降は省略)。
これに対して「廰」は”まだれに聴く”と書くわけで、
「人の意見(や陳述など)を聴くところ」という意味合いが
でてくるのではないかと思えるのです。
実は、この「廰」という字はさらに古い字体があるみたいで、
聴くという字の耳へんの下に王がついています。
ネットでこの字の成り立ちが書いてあるサイトをみると、
この王の部分は階段を示すと書いてありますが、
やっぱり僕は「王様が人々の話を聴く」という
意味があるんじゃないかななんて思ってしまいます。
(まあ、シロウトの思いつきですけど)
だから、「廰」や「廳」という文字は、
「王様が庶民の話を聴くための建物」という
意味なんじゃないかなんて思うのです。
だから、庁舎というのは廰舎であり、
広く住民の声を聴く建物であるのが本来の姿なんだ・・・
なんて、ちょっと話が臭くなってしまいました。
お役所というのは中々敷居の高いところです。
今の世の中、「廰」なんて難しい字を使うより、
わかりやすい「庁」の方が親しみやすいとも言えますね。
やっぱり「廰」より「庁」の方がいいのかもしれません。
そういえば、「耳鼻咽喉科」の「咽喉」も、
「耳鼻いんこう科」と書かれている場合もありますね。