新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する対策は、
ワクチンをいかに効率よく行き渡らせるかの段階に入ってきました。
今さらPost-acute COVID-19 syndrome(Long-COVID)の話なんか
かなりの周回遅れの話になってしまいましたが、
一度は書いておこうと思います。
(内容に間違い等があるかもしれませんので
興味を持たれた方は原文をお読み下さい)
参考にしたのは、
Nature medicine電子版3月22日号の同名の総説です。
急性のCOVID-19は、通常発症から4週間程度までをさし、
それからあとに引き続き生じる症状を、
急性期後COVID-19症候群(Post-acute COVID-19 syndrome)と
呼ぼうということになりました。
そして、この急性期後COVID-19をさらに12週で分けて、
4週から12週までを「亜急性期」、
12週以降を「慢性期」と位置づけました。
アメリカミシガン州の38病院を退院した488人を対象とした調査では、
32.6%の人が持続的な症状が2ヶ月後にも認められました。
症状としては、階段を上がる際の呼吸困難22.9%が最も多く、
次いで咳15.4%、味覚および/または嗅覚の持続的な喪失が
13.1%にみられました。
同様の調査がヨーロッパでも行われ、
退院した143人の患者のうち、87.4%で症状の持続がみられました。
一般的な症状としては、倦怠感(53.1%)、呼吸困難(43.4%)、
関節痛(27.3%)、胸痛(21.7%)がなどがあり、
55%の患者が3つ異常の症状を経験していました。
その他、フランスからの報告としては、
倦怠感、呼吸困難、心的外傷後ストレス障害(PTSD)、
不安、うつ病、集中力低下、睡眠異常などの心理的苦痛が
30%以上の人に認められたそうです。
と、ここまで書いたところで、
先日、nature電子版から、
”The four most urgent questions about long COVID”
(Lomg-COVIDに関する4つの最も緊急の質問)
という表題の記事が出ました。
4つの質問とは、
1)どういう人がLong-COVIDになるか?
2)Long-COVIDが生じる生物学的機序は?
3)Long-COVIDと他の感染後症候群との関係は?
4)Long-COVIDの症状を有する患者さんを助けるにはどのようにしたらよいか?
というものです。
ちょっと長くなったので続きは次回。