この2週間ほど、
内耳の病気(めまい、耳鳴り、耳閉感など)の人が増えています。
今年は特に、急に夏から秋の気候に変わったからでしょうか?
もちろん、めまいは1年中いつでもおこる可能性があります。
ただ、春先の三寒四温の頃と、秋口のこの季節、
季節の変わり目は、めまいの人が多くなるような気がします。
気候の変化がめまぐるしく、
自律神経の対応がうまくいかないのかもしれません。
とくにこの時期は、睡眠をよく摂ることを心がけてください。
それと、梅雨前や台風前後もめまいのおこりやすい時期の様な気がします。
これはあくまで勝手な推測ですが、
梅雨前は、暑くなり水分をよく摂るわりには、
湿気があり、身体の余分な水分がうまく排泄されないことによって、
余分な水分が内耳にたまりやすくメニエール病の様な病気が
悪化するのではないかと思います。
だからと言って、水分制限は脱水や熱中症を引き起こし、
もっと怖いですので、水分はしっかりとりましょう。
ただ、その時に、冷たい水を一度にドカッと摂ると胃腸が弱ります。
漢方薬に半夏白朮天麻湯という漢方薬がありますが、
これは主に回転性めまいの時に用いる薬ですが、
その主成分は胃腸を整え、余分な水分をさばく働きをします。
おそらく、冷たい水をドカッと摂ることで、胃腸の働きが悪くなり、
消化吸収や水分代謝に影響を与え、
回り回って内耳に影響を与えるのでしょう。
ですので、こういう方は、
あまり冷たくないもので水分を少しずつこまめにとるのがよいでしょう。
台風前後や雨前線通過の前後でめまいのする方は、
気圧の変化に影響を受けやすいためでしょう。
普通の人は、多少大気圧が変化して、
内耳の水圧にまで影響を与えそうになっても、
うまく水分の代謝を行って、内耳圧を一定に保つことができます。
これがうまくいかない人がめまいを起こすのではないかと考えます。
(あくまで推測ですが)
こういうタイプの人には五苓散という漢方が有効なことが多い様です。
五苓散のキーワードは「水」。
雨降りに調子が悪くなる人で、めまいだけなく、
頭痛や膝の痛みにもよいといわれています。
そして三寒四温(あるいはその逆)で調子が悪くなる人は、
自律神経のバランスが悪いのかもしれません。
さて、こういう人にはどうしましょう?
苓桂朮甘湯か、加味逍遙散などでしょうか。
このあたりはもう少し考えてみたいと思います。
まあ、上に上げた薬の選択は典型的な例です。
実際には、別の薬の方がよかったり、全く他の薬の方がよかったり、
結果的には試行錯誤することになってしまう場合も結構あります。
とりあえず、普段めまいの患者さんを前にして漢方薬を考えた時、
こんなことを考えながら処方を決めています。
<漢方><めまい>