今回の睡眠・認知症予防シンポジウムでは、
もう一つ特別講演がありました。
「不眠症の認知行動療法-赤ちゃんから高齢者まで」
講師は、あだち健康行動学研究所、足達淑子先生
「赤ちゃんから高齢者まで」と表題にはありましたが、
主に子育てのお母さんと夜泣きの赤ちゃんのお話でした。
昔から赤ちゃんの夜泣きについてはみんな悩んでいた。
赤ちゃんの夜泣きを軽くするには、
お母さんの安心・リラックスが大切。
お乳はたくさん飲めると赤ちゃんは眠りやすい。
最近のお母さんは条件が悪い。
相談できる人がいない。
インターネットなどで情報はあふれているが、
実際に自分の場合はどうすればよいか
というところを知るのは難しい。
そんな中、作られたのが、
「夜泣き予防プロジェクト・・・ママと赤ちゃんが夜よく眠れるように」
↑インターネットでPDFファイルをダウンロードすることができます。
出産直後から眠りの相談は様々。
赤ちゃんについての相談もあればお母さんについての相談もある。
イライラしてしまう
叱ってしまって子どもに影響が心配
自分にまともに子育てができるだろうか などなど
こんなことをしていませんか?
・ しっかりと寝付くまでそばであやす
・夜ぐずったらすぐに抱き上げ授乳
・夜起きたら電気をつけておむつを替える
これらはある程度したら×
こんな風に考えていませんか?
・添い寝はスキンシップに必要
・夜中の授乳は成長のために必要
・夜なくのは不安なため、お乳で安心
これらはちょっと違うと。
お母さんたちはどこに相談したらいいかわからない。
・母子手帳には「泣いたら抱き上げて」と書いてあるそうですが、
どちらかというと逆効果
・Web、ママ友、先輩ママ、自分の親・・・誰を信じたらよいか
情報過多で右往左往。
・産科のガイドラインには眠りについては何も書いていない
「そのうちに眠るようになる」とあるそうですが、そのうちっていつ?
育児も学習。「親なら当然」はない。
学習の原則・・・これは何でも同じ
1.観よう見まねで覚えていく
2.同じ行動を繰り返すと習慣になる
3.よい結果で行動は増え、悪い結果で減る
夜泣き・寝渋りへの対応
すぐに抱く、あやす、そばであやす、抱いたまま寝かす
こうした行動は、赤ちゃんにとってご褒美になっている可能性
つまりぐずったらいいことがある・・・悪循環
(ただし、人によるとのこと)
予防がベスト、理想は妊娠前から
・予防的親教育の方法は確立されている
(上述の「夜泣き予防プロジェクト参照)
・妊娠&出産は習慣改善のチャンス(食事、たばこ、飲酒など)
・若い女性の睡眠習慣・・・大きな改善の余地がある
若い女性は睡眠習慣が悪いことが多い
誕生後に気をつけたいこと
・これも「夜泣き予防プロジェクト」参照
・赤ちゃんとお母さんの「快眠講座」参照
・早寝早起き朝ごはん
・起こす時刻と寝かせる時刻を決める
・昼と夜のメリハリをつける・・・昼は明るくにぎやかに夜は静かに
・昼間にあまりがっちり寝かせない
・真夜中の授乳やおむつ換えは暗いところで静かに
・寝かせる場所は同じ
・眠そうにしたら独りでそっと
・遅めの時間にたっぷり授乳
・夜までのスケジュールを習慣に
・授乳と眠りを関連付けない・条件付けしない
しっかり目がさめてから授乳する 特に朝
生後数週間したら授乳しながら眠らせるのは避ける
・泣いてぐずったらすぐに抱っこ・・・夜は疑問
・ぐずり=抱っこ=授乳を放置すると6ヶ月ころから酷くなる
・寝ぼけているだけのこともある
・母子手帳には、「夜中でも話しかけたり、抱いたり、
時には遊んであげたりすることも必要」と書いてあるが、
最近は推奨されていない
真夜中にドライブに連れて行くお母さんもいる
真面目な人ほど悪循環
・産後うつで入院した人もいる
子どもが泣いてばかりいるので夜中じゅう抱いていた
夜泣きが収まっても、今度は自分が眠れなくなった
・お乳をあげながらの携帯は×
信頼できるしつけの鉄則・・・いつでも同じ態度で
褒め方
・行動に注目
・その場ですぐに
・何を褒めているかわかるように
・おべっかやおせじは×
・おもちゃやお菓子のタイミングは慎重に
叱り方
・子どものためにならない行動は×
ささいなイラつく行動には注目しない
感情的になったら、手を後ろに深呼吸、別な場所へ
母親の睡眠(高齢者でも同じ)
1.昼と夜のリズムを整える
朝ちゃんと起きる
2.夜はリラックス
刺激が多く中毒性、興奮性のものは遠ざける
夕食後暗めに
3.寝室は眠くなるように習慣づけ
眠くなってから寝室へ
寝室ではテレビは見ない、仕事はしない
スマホの充電は寝室以外で
4.だらだら寝ない(眠りを浅くしない)
目覚めたらすぐ床から起きる
行動療法(セルフコントロール)
・望ましい行動をふやす
・のぞましくない行動は減らす
・新しい行動をする
お母さんの笑顔が大切
↓オススメだそうです。
『育児の原理』 内藤寿七郎
1.生きる力を信じる、ほどほどで大丈夫
2.子育てに絶対はない
3.独りで抱え込まない
4.自分だけの時間を大切に(ゆとり)
5.思うようにならなくて当たり前
6.子どもの個性を理解(観る・考える)
7.頭でっかちにならずに、勘を信じる