五感生活術(2)

この本の中で著者は、
自分の中に眠っている「五感」を呼び覚ますいくつかの方法を提示しています。

・感覚の故郷を確認し、それを今後の物差しとする

つまり、自分の中で最も印象深かった感覚の記憶や経験を掘り起こすことや、
「五感の履歴書」、「五感年表」といったものを作ってみることだそうです。

ちょっと考えてみました。
自分の原体験の中で、最も古い味や匂いの記憶って何だろう?
記憶をたどってみました。
僕の場合、4,5歳の頃だったでしょうか?
秋に家族で田んぼに稲刈りに出かけた時の、
わらの匂いと、その時に食べた長十郎梨の味。

聴覚としては、最も古いというわけではないのですが、
印象的な経験がありました。

むかし、丹後の病院に赴任した時に、近所を歩いていると、
「カッシャン、カッシャン・・・」
という音が聞こえてきました。
丹後ちりめんの機織りの機械の音です。
なぜか懐かしい感じがして、記憶をたどっていくと、
忘れていた幼い時の音の記憶がよみがえってきました。
僕の故郷でも同様の音が近所の家からしていました。
たぶん浜ちりめんを織っていた音だったんだろうと思います。
今でも聴くことができるのでしょうか?

・五感の地図を作る

「嗅覚地図」
自分の街でもいいし、どこかに出かけた時でもいい。
歩いていてふっと、香りや匂いがした時にそれを書き留めておいて、
地図に書き込んでいく。いい香りでもいやな臭いでも。
すると、あとで地図を見返してみると臨場感よく記憶が呼び戻されます。

他の感覚「味覚」「触覚」「聴覚」「視覚」についても、
それぞれについて、地図を作っていきます。

味覚や視覚については、実際にガイドブックなんかでも、
それに近い地図がついていたりするのでイメージしやすいと思います。
それを嗅覚、聴覚、触覚にまで拡大して、自分独自の地図を作成する。
これは中々ワクワクする試みだと思いませんか?

ヒマ人のすること、と言われそうですが、
まさに、その通り!
結局、こうした地図を書こうとするには心に余裕が必要です。
でも、逆に言えば、ほんのちょっと立ち止まって、
今歩いてきた場所の臭いや音、肌の感覚を感じることができれば、
心にも余裕が出てくるのではないかと思います。

近いうちに、やってみようと思います。

<本><嗅覚><味覚><聴覚>