前々回、前回と『脳を休める技術』という本の話をしました。
ここでデフォルトモード・ネットワークという言葉が出てきました。
「三上」という言葉をご存じでしょうか?
googleで検索しようとしたら、
今大流行の『鬼滅の刃』関連でタレントさんがでてきましたが、
関係ありません。
「さんじょう」と読み、昔の文学者・政治家の欧陽脩という人が、
「余、平生作る所の文章、多くは三上に在り。すなわち馬上・枕上(ちんじょう)・厠上(しじょう)なり」
という言葉から、馬上・枕上・厠上を合わせて三上と呼び、
文章を考えるのに最もいい状態のことをさすそうです。
(goo辞書参照)
今はほとんどの人は馬には乗りませんが、
電車に揺られて外の景色をぼんやり見ている状態が
ちょうど馬上に近い状態かと思います。
枕上は寝る前のやはりボーッとした状態です。
この時あまり具体的にあれこれ物事を考えるのは、
返って頭を冴えさせてしまうので御法度ですので、
おそらく文章を具体的に書くというより、
どんなことを書くかといったコンセプトを
漠然と考えるのにいいのだと思います。
厠上はトイレに入っている時ですが、
あまり力んでいる時は当てはまりませんが、
一息ついたとき、この時もボーッとするのじゃないかと思います。
こういう時にアイディアが浮かぶチャンスなんだろうと思います。
三上には入っていませんが、
アルキメデスが「アルキメデスの原理」を思いついた入浴中や、
ニュートンが林檎の木の下にたたずんでいたのも、
(まあこれは作り話という説もありますが)
結局、ボーッとしていた時に大きなコンセプトをひらめいたわけです。
このボーッとした状態こそ、
脳の「デフォルドモード・ネットワーク」が働いている状態だと思います。
このデフォルトモード・ネットワーク、
おそらく瞑想だとかマインドフルネスをやっている時にも
活動してくる領域なんだと思います。
でもこの「ボーッとする」って、
できそうでいて中々できませんよね。
特に最近はスマホなる便利なものができて、
電車の中では外の景色も見ずにスマホを見てしまいます。
(まあ、地下鉄では外の景色は見えませんけど)
トイレでは、僕はだいたいいつでも1冊本を置いています。
どちらかというとちょっと難しめのめんどうくさめの本で、
トイレに入るたびに、ちょこちょこと1ページずつくらい
本を読み進めています。
そうするとめんどくさめの本でも、いつかは読むことができます。
ですので、ボーッとしているヒマがない。
寝るときは・・・ご飯食べたあとは、
ボーっとする間もなくうたた寝をしてしまいますし
(逆流性食道炎を起こしやすくなるのでおすすめしません)
夜中に目が覚めたら、今度は寝られなくてモソモソして、
早く寝なきゃと焦っていてボーッとすることもできません。
お風呂はというと、
まあ、この時が一番ボーッとしている様な気がしますが、
それでも何回かに1回は、お風呂用のスピーカーを持ち込んで
音楽を聴いていたりしていて、
それもゆったりとしたクラシックとかでもないので、
どれくらいボーッとできているかわかりません。
まあ、そんなわけで、ちょっとした時間があれば、
すぐにこざかしくちょこちょこと何かやってしまうのですが、
たまにはボーッとした方がいいですね。
でも、まわりから見れば、ボーッととしてたら、
居眠りしてるとか、燃え尽きてるとか、
そんな風にしか見えないかもしれませんね。