昨日からの続き
ウイルス感染症なのになぜ抗生物質?
その元ネタです。
Covid-19 : la piste du microbiote, vers un nouveau paradigme ?
(Covid-19:微生物叢トラック、新しいパラダイムに向けて?)
Dimitri Jacques redige le 08 avril 2020 a 14h22
今は便利ですね。フランス語のサイトですが、
機械翻訳で大雑把には記事を読むことができます。
この記事は、SantePort Royal社というたぶん健康食品とか
民間薬を作っている会社のWebなので、
最終的には腸内細菌をよくしましょうという話かな、
と思いながら読んでみました。
”Des chercheurs chinois se sont penches sur les modifications du microbiote chez les patients les plus atteints (ceux qui sont decedes). Le sequencage du microbiote a revele une diminution significative des bifidobacteries et des lactobacilles , principales familles de bacteries symbiotiques, ainsi qu’une augmentation de bacteries opportunistes telles Corynebacterium ou Ruthenibacterium.
(中国の研究者は、最も苦しんでいる患者(死亡した人)の微生物相の変化を調べてきました。微生物叢のシーケンスにより、共生細菌の主なファミリーであるビフィズス菌と乳酸菌の大幅な減少、およびコリネバクテリウムやルテニバクテリウムなどの日和見細菌の増加が明らかになりました。)”
⇒そのさらに元資料がこれ:Immunodepletion with Hypoxemia: A Potential High Risk Subtype of Coronavirus Disease 2019
”Les lipopolysaccharides (LPS), molecules produites par les bacteries a gram negatif, entrainent l’instauration d’un climat pro-inflammatoire dans l’ensemble de l’organisme.
(グラム陰性菌が産生する分子であるリポ多糖(LPS)は、全身に炎症を引き起こします。)”
⇒これは、以前『腸と脳』にも書いてました。
”De nombreuses etudes ont montre que le microbiote des personnes agees compte davantage de bacteries gram negatif, ce qui a pour consequence d’augmenter les taux de LPS et par consequent, de permeabilite intestinale et de risque inflammatoire.
(多数の研究により、高齢者の微生物相にはグラム陰性菌が多く、これによりLPSレベルが上昇し、腸の透過性と炎症のリスクが高まることが示されています。)”
⇒これも『腸と脳』に書かれていました。
ここで、全身的な炎症性の悪影響を与えるグラム陰性菌として、
Prevotella菌が登場します。
なぜプレボテラ菌なのか?ですが、
こんな論文がある様です。
”SARS-Cov2 enables anaerobic bacteria (Prevotella, et al) to colonize the lungs disrupting homeostasis – symptoms (ARDS, septic shock, blood clots, arterial stroke) finds resonance, with key differences, in the ‘forgotten disease’ Lemierre Syndrome, caused by anaerobic bacteria enabled by Epstein Barr Virus”
>https://osf.io/usztn/
上気道炎から続発する病気に内頚静脈血栓症があり、
これをレミエール症候群と言うのですが、
この病気にEBウイルスが関与しているらしいのですが、
今回の新型コロナウイルス(SARS-Cov2)も似たような機序で、
Prevotella菌などの嫌気性菌によって、
肺だけでなく全身を重症化させてしまうのではないか、
ということです。
ただ、この論文は、
肺にSARS-Cov2がやってきて、そこにいたPrevotella菌が
悪さをする、という様に読んだのですが、
(僕が読み間違えているのかもしれませんが)
連日テレビなどでも報道されていたCOVID-19の
肺炎像は細菌性ではないと言われています。
明日に続く