腸には、神経系、免疫系、内分泌系と言った、
身体の情報処理に関するシステムが豊富に存在する。
昨日はそういったお話をしました。
腸の神経系は、腸管神経系(ENS)と呼ばれる
独自のシステムも装備しているそうですが、
こちらはどちらかというと局所の腸の働きに関連する
神経システムの様です。
これに対して、腸には脳から迷走神経と呼ばれる
太い情報ハイウェイが引かれています。
以前、『ポリヴェーガル理論入門』という本の話をした際に、
”迷走神経の遠心性経路(脳から内臓に向かう神経)は、
全体の20%で、この20%に有髄性と無髄性の神経が含まれます。
残りの80%は感覚神経、つまり内臓から脳に向かう求心性神経なのです。”
ということを書いておきました。
>本:ポリヴェーガル理論入門5 双方向性システム
ポリヴェーガル理論入門にも、
内臓と脳の双方向性の情報伝達の話が出てきますが、どちらかというと、
脳から末梢への遠心性神経の方に重点がおかれていました。
それに対して、この「残りの80%」というのが、
まさに今回の腸と脳のコミュニケーションに関係してくるわけです。
つまり、迷走神経という脳神経の中でも最も大きな神経系の
80%もが、内臓から脳に送られる情報だということです。
ですが、実際私たちは日常生活で内臓の情報に
どれくらい気を留めているでしょうか?
お腹がすいた時、逆に食べ過ぎた時、
変な物を食べたときなどは胃腸は強い情報を知らせてくれますが、
そうでないときはあまり気にとめていません。
ただ、実際には内臓感覚というのは会話にも出てきます。
「はらわたが煮えくりかえる」とか「断腸の思い」など。
そういった言葉からも脳(心)と内臓の強いつながりがわかります。
しかし、普段は、消化管で集められた感覚情報の90%以上は
意識に上らないそうで、私たちは基本的に、
腹部から日夜上がってくる刺激を無視しています。
ですが、腸管神経系は、この刺激を注意深く監視して、
消化器系の機能を日夜最適なものに保つために
必須の情報として利用しています。
そしてさらに、(腸等から脳への)求心性の迷走神経を通じて、
膨大な内臓の情報が24時間365日脳に送られ、
脳ではそれを蓄積していくのだそうです。
この内臓刺激の情報の蓄積は、ふだん意識されませんが、
実は人間の行動様式や嗜好、考え方にまで
影響を与えているのではないかと筆書は考えている様です。
僕も前出のブログのエントリーで、
”第六感というのは迷走神経感覚枝によるものかもしれません。
頭では大丈夫と思っても何かひかかる、
そんな感覚はひょっとしたら内臓の感覚なのかもしれません。”
と書いたのですが、まさしくこれなんだなと改めて思いました。
明日に続く