肉筆浮世絵名品展@太田記念美術館2

なんか最初にお目当の絵を見てしまったので、
あとはどうかなと思いながら見て回ったのですが、
他にもたくさん素敵な作品がありました。


松野親信 「草子洗小町」
araikomachi
↑写真はネットから拾ってきました。
昔テレカになっていたんですね。

印象に残る絵には間違いなのですが、
「草子洗小町」というものを本来知らなくて、
「なんで本を洗ってるんだろ?」と思って観てました。

昔は紙が高価だったから、文字を書く練習が終わっって、
墨を流してまた使えるようにしているのかな?
くらいに思ってました。

帰って調べたら全然違ってました。能の演目にあるんですね。
”大伴黒主(ワキ)は、歌合で小野小町(シテ)を相手にすることとなった。しかしとても勝ち目がないと考えた黒主は、歌合の前日、小町の邸に忍び込み、小町が明日のために詠んだ歌を盗み聞きする。
歌合当日、紀貫之(ツレ)を初め歌人たちが居並ぶ中で小町の歌が詠み上げられるが、黒主は「その歌は既存の古歌である」と難ずる。証拠として黒主が取り出した『万葉集』の草子には、確かにその歌が書き込まれていた。前日小町の歌を盗み聞いた黒主が、予め書き足しておいたのである。
窮地に立たされる小町だが、黒主の入れ筆と見破り、許しを得て水を以ってその草子を洗う。するとたちまち黒主の書き足した歌は消え失せ、彼の悪事が明らかとなる。全てが露見した黒主は自害しようとするが、小町はそれをとりなして、祝言の舞を舞う。 ”
Wikipediaより引用
なるほど、そんな話の1場面なんですね。

河鍋暁斎 「達磨耳かき図」
mimikaki
この、達磨大師の表情がいい!
いかにも耳掃除をしてもらって気持ちイイという顔をしています。
それでいて、ちょっと痛いのは怖いのか(笑)、
手は女性の膝をギュっと握りしめていてカワイイ。
対して女性の方は真剣です。
「一つ残らず取ってやろうじゃねぇか!」
みたいな意気込みが感じられます。
2人の対比が面白い。

小林清親 「開化之東京両国橋之図」
kobayashi
これもすごく印象的な絵でした。
「開花」とある通り、まさに文明開化の感じがでてますね。
実にクールな作品です。