先日の土曜日、東京霞ヶ関ビルで行われた
医療保険委員会全国会議に行って来ました。
今回は講演2つを受講して来ました。
その中で、ちょっと気になったのが、
オンライン診療についての講演。
外国ではすでに結構やられているようです。
日本では、基本的には診療というのは
対面で行うことになっており、
直接患者さんを診ないで診療を行うことは、
医師法で原則禁止されていました。
(ま、普通の診療は今でもそうです)
ただ、最近は少し解釈が緩やかになり、ITの進歩などもあり、
オンラインでの診療というのが要件を満たせば、
少しずつ認められるようになって来ました。
と言っても、まだまだ保険診療の要件というのが結構厳しい。
例えば、最初の1回は対面でないといけない。
通信を行う際は、医師の方から発信する必要がある。
診療を行う時には、医師の居所は診療所でなければいけない。
などなど。
まあ、僕は当面オンライン診療はする予定はありませんが、
外国などでは、診療はスマホが繋がる所であれば
医師はどこにいてもいいと言う様な国もあるそうで、
そうした国の医師は 、どこかリゾート地におもむき、
そこからでも診療を行って入るそうで、
ちょっと羨ましい気分になりました。
まあね、耳鼻咽喉科は処置の多い科なので、
どっちみちそんなに優雅な診療はできませんけど。
ま、それは置いといて、
オンライン診療は患者さんによっては
すごくメリットのある人もいらっしゃいます。
例えば、子供がたくさんいて、
誰も面倒を見てくれる人がいなくて、中々受診できず、
薬の服用が続けられないようなお母さんだとか、
自閉症スペクトラムの患者さんなどで、
病院に来ると緊張してしまい平静が保てない方とか。
耳鼻咽喉科的には、
甲状腺ホルモンを毎回取りに来るだけの人とか、
場合によって睡眠時無呼吸症候群なども、
CPAPで安定していて数ヶ月に1回病院を受診する人など。
もちろん、何か変わったことがあった場合は、
きちんと受診してもらう必要があるのは言うまでもありません。
また、現在のところ保険診療の適応条件が結構厳しい。
・疾病を慢性疾患に限定=管理料算定疾患のみ
⇒これって、耳鼻咽喉科の場合、滲出性中耳炎か
睡眠時無呼吸症候群しかありません。
特に前者は鼓膜を見て、場合によって検査をしてみないと
わからないようなこともあるのでまず無理。
・3ヶ月に1回の対面診療が必要
⇒これではあまりメリットがない様な気もする
・同一医師による診療に限定。
・医師の居場所を医療機関に限定
・日常診療が前提=30分以内に受診可能な人に限定
⇒これはちょっと厳しい様にも思います。
まだまだ本格的な運用には問題がありそうです。
まあ、それでも、これから徐々にこういうスタイルの診療も
増えて来るんだろうなと思いました。