この機会に、口腔アレルギー症候群と
似た症状の病気についてもお話しておきます。
口腔アレルギー症候群の症状の一つに
「粘膜が腫れる」というものがあります。
こうした「急に腫れてくる」という時には、
血管性浮腫(クインケ浮腫)と呼ばれる病態が考えられます。
こうした腫れは、全身で生じる可能性がありますが、
アレルギーによるもので、口腔内に生じたものが、
口腔アレルギー症候群となります。
ただ、アレルギー以外で血管性浮腫をきたす場合もあり、
温熱、慣例、振動、外傷、感情的ストレス、日光など
物理的刺激で生じるものや、
高血圧治療剤の一つ(ACE阻害剤)でなるタイプがあります。
そして、それ以外に、
遺伝性血管性浮腫(HAE: Hereditary angioedema)
という疾患があります。
遺伝子の変異が原因で、身体のいたるところに、
2,3日持続する腫れや「むくみ」を繰り返します。
遺伝性というのは遺伝子の異常という意味なので、
血縁の人で同じような症状を持つ人がいる場合が多いですが、
たまたま初めて遺伝子異常が現れた場合は
身近に同じような症状を持った人がいない場合もあります。
参考サイト:
クインケ浮腫とHAE
HAE情報センター
遺伝性血管性浮腫とは?
口の中での腫れ以外でも腫れが起こる場合や、
明らかな食事との因果関係がはっきりしない場合、
口腔アレルギー症候群よりも、
他の病気を考えた方がよいかもしれません。
いずれにしても、口腔内で、特にのどの奥の方で腫れた場合は、
命に関わる場合がありますので、
急に喉が腫れてきて息苦しい場合は、
迅速に大きな医療機関の救急で診てもらって下さい。