口腔アレルギー症候群

食物を食べた後でのどの違和感(イガイガ、腫れた感じなど)を感じて
受診される患者さんが時々いらっしゃいます。

その多くは口腔アレルギー症候群かなと思います。
ちょうど昨年11月に名古屋で開催された
日本耳鼻咽喉科専門医講習会でも、ランチョンセミナーで、
口腔アレルギー症候群のお話がありました。

多くの場合、口腔アレルギー症候群は花粉症と関連があります。
花粉症は、身体が花粉の成分に対して反応して、
くしゃみや水様性鼻汁、鼻閉を生じるわけですが、
口腔アレルギー症候群の場合は、
花粉を異物として覚えた免疫細胞が、
食べ物の中にも似たような顔を見つけて反応するために生じます。
これを交差反応と呼びます。

この交差反応には、花粉の種類と反応する食べ物の間に、
ある程度対応関係があります。たとえば、

ハンノキ(カバノキ科ハンノキ属)の花粉では、
バラ科果物、セリ科、ウリ科、キウイ、大豆、ヘーゼルルナッツなどに反応します。

カモガヤ(イネ科カモガヤ属)の花粉では、
オレンジ、セリ科、ウリ科、キウイ、イネ科、ナス科に反応。

ブタクサ(キク科ブタクサ科)の花粉の場合、バナナ、ウリ科に、

ヨモギ(キク科ヨモギ属)の花粉の場合、
セリ科、キウイ、ピーナッッツ、ヘーゼルナッツ、ナス科などに反応するそうです。

ヨモギ花粉症の場合、スパイスに対しても反応することがあるそうで(※)、
国内ではカレー摂取で発症する場合が多いそうです。
ヨモギ花粉のプロフィリンという抗原と反応すると推定されており、
セリ科(コリアンダー、クミン、フェンネル、アニス、キャラウェイ
ナス科(トウガラシ)、コショウ科(コショウ)、
アブラナ科(マスタード、ワサビ)などに反応するのだそうです。

※「ヨモギ・スパイス症候群」というそうです。
セロリーニンジンーヨモギースパイス症候群、
セロリーニンジンーシラカンバースパイス症候群などとも言われている様です

明日に続く