本:鎌田式 「スクワット」と「かかと落とし」

暑かった夏もそろそろ終わりと思いながら、
まだまだ残暑厳しいですね。
でも、夜は虫の音も聴こえてきて、
着実に秋はやってきています。

『鎌田式 「スクワット」と「かかと落とし」』 鎌田 實,集英社
WS000003

この本は本当は夏の間に紹介しようと思っていたのですが、
遅くなってしまいました。

もともとは、7月27日のMBSテレビ「サワコの朝」に
著者の鎌田先生が出演されていたのを見て、
「あ、これいいかも!」と思ったところから始まります。

この本自体は、その少し前に
何となく本屋さんで見かけた覚えがあったのですが、
いざ本屋さんで買おうと思ったら、テレビの影響でしょうか?
一時どこにもなくて、結局Amazonで注文しました。
そして、Amazonでも普段はすぐに届くのに、
今回はちょっと時間がかかりました。

というわけで、読んでみました。
内容としては、スクワットに関しては、
初心者向けスクワット⇒イスにつかまって⇒
⇒鎌田式スロースクワット⇒鎌田式スーパースクワット
と、順に負荷をかけていくスクワットのやり方と、
かかと落としについては、
一般的なかかと落とし⇒つま先上げを付け加えた鎌田式かかと落とし
の2つについて解説されています。

筋肉の衰えは、最近では、サルコペニアとか、
ロコモティブシンドロームとか、
あるいはフレイルといった言葉で盛んに言われています。

僕も患者さんに、「ウォーキングがいい」とよく言うのですが、
それはメニエール病など内耳がむくむ人に対し、
血流をよくすることによって内耳機能も改善を期待して
というのが目的の一つです。
ただ、それだけでなく、ふらつきを訴える方にもオススメしています。
それは、足腰の筋肉が弱るとそれだけでふらつきにつながるからです。

そんなわけで、ウォーキングを勧めるのですが、
患者さんの中には、「足が悪くて・・・」「関節が痛くて」と、
できない理由を挙げる方がいらっしゃいます。

また、今年の様に暑い夏は、
いくらウォーキングがいいよと言っても、
熱中症を起こしてしまったら逆効果です。
真夏の暑い時はウォーキングをオススメすることができません。

そんな時に何かいい方法はないかなと思っていたのですが、
この「スクワット」や「かかと落とし」をするだけでも、
多少はいいのではないかと
テレビを見て考えたのでした。

また、ウォーキングをオススメしますが、
高齢者の方だといきなりやると、
つま先を上げる筋力が落ちているので、
かえって転倒する危険もあるかもしれません。
そういう時は、
まずはこの「スクワット」と
「かかと落とし(特に鎌田式)」を行い、
少し筋力をつけた上で歩いてもらう方がいい、
そんなことも考えました。

鎌田先生は、おもに「スクワット」で筋肉の痩せを予防し、
「かかと落とし」で骨粗鬆症の予防をすることで、
100歳まで元気に生きようと提唱されています。
つまり「筋活」と「骨活」だと。

メインはこの2つについてですが、
他にも鎌田先生が実践されている、
健康によい食事についても献立と一緒に書いてあります。
特にタンパク質をしっかり摂りましょうということで、
これを「タン活」と呼んでいらっしゃいます。

また、最近はオーラルフレイルが、
全身のフレイル(虚弱)に先だって生じるとも言われているのですが、
この本には、そのあたりに対する配慮も書いてあります。

「パタカラ体操」という口の体操と、
「おでこ体操」という頸部筋の強化です。
これらを鎌田先生は「口活」と呼んで紹介されています。

歳をとってくるといろいろな筋肉が衰えてくるようで、
一つ一つ鍛えて維持していかなければいけません。
結構忙しいですよ。