さて、長々と11回にわたって後鼻漏について書いてきました。
だからと言って、
僕は後鼻漏の専門家というわけではありません。
後鼻漏は、耳鳴りと並んで治療に難渋する症状の一つです。
後鼻漏の治療は、ここまで書いてきたように、
中々一筋縄では行きません。
早い段階の副鼻腔炎であれば抗生剤、
純粋な慢性副鼻腔炎であれば、マクロライド少量長期投与、
アレルギー関与であれば、抗アレルギー剤、
慢性上咽頭炎には上咽頭擦過療法、
逆流性食道炎の関与が疑われればPPI、
それに加えて、いろいろな漢方薬を使用して、
なんとかやっています。
それでも中々治療に難渋する場合もまだまだあります。
『知られざる後鼻漏ー花から始まるその不快感の正体』 呉孟達, 幻冬舎
この本を読むことで、
いくらか僕の頭の中も少し整理された様にも思います。
まあ、だからと言って、全てを自分で解決することはできません。
運動性後鼻漏感が疑われば脳神経内科の先生に診てもらったり、
放射線科でMRIでラクナ梗塞の有無や程度も
調べてみる必要があるかもしれません。
「副鼻腔炎ではない」と断言するにはCT(またはMRI)も必要です。
あるいは高位の医療機関の耳鼻咽喉科や消化器内科で、
嚥下機能検査や上部消化管内視鏡(胃カメラ)などを
してもらう方がいいこともあると思います。
また、更年期障害なら婦人科、
うつ傾向や心気的傾向が強ければ、心療内科や精神神経科にも
相談しなければならないかもしれません。
まあ、それでも、
そうした交通整理の役目ができたらいいかなとも思います。
後鼻漏でお困りの場合は、こうしたことを考慮して、
一つずつ可能性を絞って治療を受けてみてください。
当院ブログがお役に立てれば幸いです。