今日もひきつづき後鼻漏の話。
参考図書は、
『知られざる後鼻漏-鼻から始まるその不快感の正体』 呉孟達, 幻冬舎
です。詳しくは本書をご覧下さい。
唾液性後鼻漏感についての続きです。
つまり安静時の唾液が少なくなって下に下りていかない状態。
検査
安静時の唾液の分泌状態を調べるそうです。
いくつかある様ですが、つまり実際に唾を吐き出してみればよい様です。
安静時の唾液は約0.3~0.4ml/分だそうで、
理論上は10分で約4ml採取できればいいわけです。
⇒1ml以下なら唾液分泌低下=口腔乾燥症が疑われると。
内視鏡検査では、のどの奥に唾液混じりの粘性分泌物や、
食物の残渣がへばりついている所見が見られるそうです。
治療
薬物療法
塩酸ピロカルピン(サラジェン)・・・効果発現がやや早い
塩酸セビメリン(エボザック、サリグレン)・・・副作用がやや少ない
ニザチジン(アシノン)・・・胃炎・逆流性食道炎
人工唾液(サリベート)・・・虚血性心疾患や気管支喘息の人にも使える
ステロイドは口内乾燥には無効
セルフケア
上記の本は色々なことが非常に詳しく書かれていますが、
この口腔乾燥に対するセルフケアのところは、
一般の方にもよくわかるように書かれており、
該当しそうな方は、ここだけでも読んでいただくといいと思います。
(p.245-250,p.252-255)
避けるべきもの
×カフェイン・アルコール・ニコチン
唾液分泌を促すもの
チューインガム(キシリトールやソルビトールなどシュガーフリーで)
味覚刺激・・・酸味と旨味
うす昆布茶
3倍程度に薄めた昆布茶をペットボトルなどで持ち歩き
口の渇きやのどの不快感などを覚えるたびに、
一口文を30秒ほど口の中で含む
そのあと飲み込むか吐き出す
ただし甲状腺疾患の人は不可⇒シイタケ茶
シイタケ茶
干し椎茸約2~3gを小さく切り分け、
水500mlの入ったペットボトルの中に入れ一晩常温下におく
翌日、旨味成分の溶け出した薄茶色の水をうす昆布茶と同様に用いる
唾液腺マッサージ
耳下腺・顎下腺・舌下腺
1日数回、毎回10分程度にとどめる
口腔内保湿
口腔内湿潤度検査というものがあるそうです
エルサリボ、口腔水分計
口腔保湿潤滑剤・・・市販でいろいろと出ているそうです
洗口液・保湿ジェル・スプレーなど
口呼吸を減らす
睡眠時無呼吸症候群に注意(口呼吸がほぼ必発)
起床時に猛烈な口渇感、のどの奥にネトネトした不快感、後鼻漏感
歯科ケア・含嗽
ただし、イソジンは長期使用でかえって乾燥
アズレン系