本日も、
『自分で治す!逆流性食道炎』 清水公一, 洋泉社
を参考にお話します。
この本では、後半に、
非びらん性胃食道逆流症(Non-Erosive Reflux Disease;NERD)
についても詳しく書かれていて、実はここが僕のオススメです。
このNERDは、つらい症状があるのに、
検査をしても逆流性食道炎の所見がみられないものを言います。
近年増加しているそうです。
この疾患の最大の問題点は
「一般的な逆流性食道炎の薬が効かない」こと。
また、検査で異常が見つからないことが
さらに不安を煽る要因になりマイナスの感情のスパイラルを
作っているとも言われています。
この病態を、著者は、
心と身体のしくみがうまく働いていないことが原因と言います。
私たちの心と身体は、通常、
一定の範囲内の変化(刺激)であれば、
脳と神経のネットワークも用いて正しく機能(自動運転)しています。
ところが、コントロールできる範囲を超えた変化が続くと、
このネットワークがうまく働かなくなります。
変化とは、
1)加齢変化
思春期、更年期、老年期など
2)外的変化
気温、気圧など天候の変化、季節の変わり目
引っ越しや職場の異動など環境変化
3)緊張
一定の範囲を越えた緊張は心と身体のしくみを狂わせる原因
緊張しすぎて普段のパフォーマンスが出ないなど
4)感情
喜怒哀楽
特に、悲しい、苦しい、つらい、不安など
配偶者や親族の死、夫婦の離婚や別居、
転職や仕事のミス、会社の倒産など
5)疲労
五感から取り入れた情報の量が、
脳と神経のネットワークで処理できる範囲を超えたとき
一般的に「ストレス」と呼ばれるものは
これらの変化の複合体をさします。
NERDになりやすい人というのを上げています。
男性
痩せ型、顔色がよくない、たばこを吸う、過度の緊張、
夜が遅い生活、デスクワーク中心、考えすぎる、神経質、
パソコンで1日中仕事をしている、職場のストレスがある
10~18歳、40歳前後~50代、60代以降
女性
運動をしない、子育てや仕事でストレス、イライラしがち、
頭痛持ち、肩こりがある、冷え症、考えすぎる、神経質、
不満やストレスをためている
10~18歳、40歳前後~50代、60代以降
こうした病態は、何もNERDだけではないと。
機能性ディスペプシア(機能性胃腸症)
過敏性腸症候群
なども、そうだとのこと。
僕は、耳鼻咽喉科領域でも、
咽喉頭異常感症や所見のない後鼻漏感なども
同様のメカニズムが起っているのではないかと思います。
長くなってきたのでもう一日続けます。