ちょっとした家庭の医学の耳鼻咽喉科編を
思いついたら書き記すことにしました。
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ここで言う市販の点鼻薬(スプレーを含む)というのは、
血管収縮剤の入ったものです。
テトラヒドロゾリン、ナファゾリン、トラマゾリン
などが代表する成分です。
「市販の」と書きましたが、病院でもらう点鼻薬でも、
コールタイジンやプリビナ、トークと言ったものは
血管収縮剤が入っていますので同じです。
こうした血管収縮剤を含んだ点鼻薬は、
使用すると速やかに鼻が通ります。
そこで調子がいいからと1日に5回、6回と使っていると、
薬の効果が徐々に短くなってきます。
そして、薬の効果が切れてくると、
余計に鼻が詰まった感じがしてきます。
そこで再び点鼻薬をさすことになり、
段々手放せなくなり悪循環に陥ります。
これを薬剤性鼻炎と言います。
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もう一つ血管収縮剤の入った点鼻薬での注意点は、
6歳未満の子どもには原則使用しないこと。
血管収縮剤の成分は心臓系に影響を与えることがあるので、
重篤な副作用が生じる場合があるからです。
同様の理由で、
心臓が悪い人やコントロールの悪い高血圧の人、
甲状腺機能亢進症のある人は使わない方が無難です。
糖尿病のある人も注意が必要です。
ものによっては眼圧の高い人も注意が必要な場合があります。
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薬剤性鼻炎になってしまった場合はどうするか?
血管収縮剤入りの点鼻薬は使わないように我慢しないさい!
それは正解。でもまず無理だと思います。
そういう時は耳鼻咽喉科においでください!
(と、結局、受診を誘導していますけど)
まず、膿性鼻汁などがある場合は、
適切な抗生剤を用いて鼻汁を減らします。
そうでない場合はたいがいアレルギー性鼻炎ですので、
鼻閉に有効な抗アレルギー剤を服用してもらいます。
モンテルカスト、プランルカストといった、
抗ロイコトリエン剤がいいでしょう。
水様性鼻汁も多い場合は第2世代の抗ヒスタミン剤を併用します。
これは眠気が出やすいかどうか、
1日1回タイプがいいか2回タイプがいいかで選択します。
これが基本の薬剤になりますが、
これらは効果が現れるのに、
1週間ほどかかる場合が多いと思います。
そのため、それに加えて、
使用可能ならステロイド系の点鼻薬を使います。
血管収縮剤入りほど即効性はありませんが、
4,5日さすと徐々に効いてきます。
それでも、その4,5日が我慢できなさそうな時は、
奥の手として、使用可能な場合は、
内服のステロイドを少量使うという手があります。
こうした治療でうまくいかない場合は、
手術的な治療が必要になってくるかもしれません。
まあ、それくらい薬剤性鼻炎からの離脱というのは、
結構大変なんです。
くれぐれも血管収縮剤入りのスプレー・点鼻薬は
使いすぎないようにしましょう。