というわけ(昨日のつづき)で、
家庭で行う耳そうじについてのお話をしますが、
できれば無理をせず、耳鼻咽喉科へ。
(と、もう一度コマーシャル)
まず、耳そうじの頻度は、一般的には、
せいぜい2週間に1度くらいでいいのではないかと思いますが、
人によっては全く何もしなくても大丈夫な人も確かにいます。
耳かきを使うか綿棒を使うか。
一般的には乾性耳垢の場合は耳かきでよい様に思いますが、
だからといっても耳かきで強くこすると
外耳炎を起こす場合があります。
一方、湿性耳垢の場合は綿棒の方がよいと思います。
ただ、耳垢の量が多いと
むしろ中に押し込んでしまうことになりかねませんし、
綿棒でも強くこすると外耳炎になるのは同じです。
耳そうじで最も気をつけなければいけないのは、
周囲に他の人がいないことを確認して行うこと。
自分で自分の耳掃除をする時もそうですが、
子どもの耳をそうじする時もです。
特に耳かき使用中は注意しましょう。
それは、耳そうじ中に人がぶつかってきたら、
耳かきが深く刺さり鼓膜を傷つけてしまうためです。
ひどいと鼓膜穿孔(こまくせんこう)をきたしてしまいます。
最悪の場合、さらに内耳まで刺さると、
めまいがしたり、永久的な難聴になってしまう危険があります。
子どもの耳そうじの場合、兄弟姉妹がいる場合は、
他の子どもにも注意しておく必要があります。
また、ペットを飼っている方も注意が必要です。
以前、犬がおもちゃだと思って飛びかかってきて
怪我をしたという人を診察したことがあります。
同様の理由で、歩きながらの耳掃除も危険です。
人の耳を掃除する時のちょっとしたコツ。
大人の場合は耳を後上方に引っ張りながらやると
中が見えやすくなります。
小さな子どもの場合は後方に引っ張ります。
もう一つ、もし可能なら
耳かきや綿棒を持つ手の小指を顔に固定して操作しましょう。
↑こんな感じです。
耳かきと外耳道の距離が固定され、
奥に入りにくくなり鼓膜を損傷する危険が減ります。
特に子どもは急に動きますので有効です。
↑と書きましたが、これはあくまでどうしても
「耳そうじをしたい!」
という人へのアドバイスであって、
耳掃除を奨励しているわけではありません。
特に3歳以下(5歳でもいいかな)の
子どもの耳掃除はできればやらずに
耳鼻咽喉科に来ていただく方がいいかと思います。
「耳そうじは痛い!」
そう思わせてしまうと、いざ耳鼻科に来た時に、
激しく抵抗されて動き回るので危険です。
そして、深さはせいぜい1cm程度まで。
奥に入り込んでしまっても深追いしないこと。
取れないなと思ったら、
無理をせず耳鼻咽喉科を受診してください。