似た様な症状をとる病気としては、
耳管狭窄症、耳管開放症、軽い滲出性中耳炎などがあります。
これら耳管や中耳の病気の場合、
基本的には自分の声が響くのに対し、
内耳の病気の場合は周囲の音も響きます。
また、めまいがした場合は基本的には内耳と考えます。
・・・と典型例をお話しましたが、
実際には両者が合併していることもあり、
ちょっと診断が難しい場合もあります。
聴力検査とティンパノメトリーという鼓膜の検査で
概ね診断できますが、
症状が中々改善しない場合や繰り返す場合は、
大きな病院に紹介させていただき、
内リンパ水腫の程度を調べる検査として、
蝸電図やグリセロール検査などを行う場合もあります。
また、他の病気(特に聴神経腫瘍など)の除外のために、
MRI検査などを行う場合もあります。
治療としては、
基本的なところでビタミンB12製剤やATP製剤、
血流改善剤などに加え、
内リンパの余分な水分を尿として体外に排出させるために
利尿剤(イソソルビドなど)を使います。
同じ様な目的で漢方薬の五苓散や柴苓湯を用いる場合もあります。
こうした漢方は気圧が下がり天気が悪くなる時に
症状が増悪するタイプには特に有効です。
また、聴力の低下が強い場合には、
ステロイド剤も併用する場合があります。
上記の様な治療は特に急性期に有効です。
中々良くならない場合や、
早期の段階でも・・・というか、本当は早期の時こそ、
生活習慣の見直しが必要です。