昨日の続きをあと少し。
特別講演の中で、少し面白いなと思う話がありました。
それが、「ロングテール」という話。
以前『80:20の法則』という本を読んだことがありましたが、
これと似た話ですね。
「結果の80%は原因の20%から生じる」という経験則で、
「パレートの法則」とも呼ばれています。
(この講演では80:20ではなく60:40くらいでお話されてましたが)
↑この話を書いたところで、
ネットでもう少し調べてみると、
特に80:20とか60:40とか
足して100にならなくてもいいみたいですね。
商売で言えば、80%の売り上げを生む売れ筋商品は、
全体の20%が占めるということで、
(たとえば本屋さんなど)一般的なお店では、
売れ筋の商品だけを置くことで、効率的な商売をしよう
というのが今までの商売の王道でした。
これに対して、Amazonなどは、残りの部分、
(←Wikipediaより)
つまり図の黄色の部分、
恐竜の尻尾みたいに見える部分を、
インターネットなどを用いて在庫を分散させることで、
1年に1冊しか出ない本でもすくい上げていこうという
販売方法を確立して成功したそうです。
話はシステムバイオロジーに戻りますが、
生命現象を研究する場合、
普通よく発現する40%だけを見ていてもダメで、
残りのたまにしか発現されない60%をすくい上げる必要がある、
ということなのだそうです。
そして、そこの働きがわかった時、
さらなる医学が進歩するわけで、
そのためには膨大な情報を処理するAIの力が必要なのだと。
すごい時代が目の前にまで来ているのですね。
また、生命を科学するには、
一つ一つ仮説をたてて検証をするという方法をとっているわけですが、
この仮説を立てるという部分がまだまだ前近代的で、
人間の創造に負うところが大きいそうです。
そうした所にも今後コンピュータ化が大きな役割を
果たしていくのではないかとのことでした。
まあ、創造というものが最後に残る人間的な部分ではあり、
コンピュータには苦手な分野だと思われますが、
それは発展途上の現代を生きる我々だからそう思うのであって、
それすらも、そのうちにいともたやすく
乗り越えられていくのかもしれません。