『ソリューション・バンク ブリーフセラピーの哲学と新展開』 長谷川啓三,金子書房
この本は、ブリーフセラピーについて書かれた本です。
ブリーフとは短いという意味で、短期療法とも訳されますが、
あまりしっくりときません。ま、それはともかく、
ブリーフセラピーというのは、心理療法の一つのグループで、
他の心理療法、たとえば精神分析なんかと比べると、
かける時間が非常に短いのでそう呼ばれます。
以前、解決指向型アプローチを中心に、
ブリーフセラピーについて
このブログでとりあげたことがあります。
>ブリーフセラピーについて
>解決志向型ブリーフセラピー(SFBT)
あるいは、”リフレーミング”という技法がありますが、
これは物事のとらえ方、見方を変えることで、
今まで困っていた事柄が、それほど困ったことでなくなる、
という変化を起こさせるものです。
(なかなか僕はうまく使えませんが)
ブリーフは短いということですが、
どれくらい短いかといえば、
昨日泣き叫ぶ子を黙らせるのに、
「もっと泣け」と言うだけで、
時にピタリと泣き止んでしまうくらい短いわけです。
まあ、これは一つの事象で、極端な話ではありますが、
うまくいくときはそんなものなのかもしれません。
「アハ!体験」というものがあります。
不思議なひらめきを感じる体験ですが、
これはある対象や事柄についての認知が
一気に変わることと考えられます。
ブリーフセラピーの原理もこれに近いものかもしれません。
それにしても、この本の最後の方に
このブリーフセラピーの先駆者は
ビクトル・フランクルという人だ
と書いてあってびっくりしました。
僕はミルトン・エリクソンだと思っていたのですが。
ビクトル・フランクルと言えば、
『夜と霧』という有名な著作があります。
アウシュビッツを生き延びて生還した時の話だと聞いています。
実はこの本、40年くらい前に買ったのですが、
未だに読まずに本棚の上の方に飾ったままです。
もうそろそろ読んでみなければなりませんね。