昨日の続き
<前庭性片頭痛の病態>
まだはっきりはしていない
・三叉神経(片頭痛は三叉神経)と前庭神経の視床脳幹レベルでの相互作用
・Caチャンネルの機能異常
・Cortical Spreading Depression(CSD)・・・前兆が出現するメカニズム
三叉神経以外にも前庭神経にも活性化がおこる
・CGRP(神経ペプチド)・・・片頭痛に関連する神経ペプチドだが、末梢前庭系にも分布しているとの報告
<前庭性片頭痛の治療>
・前庭性片頭痛に特異的な治療はない
=まずは診断をつけることが大切
・急性期と慢性期は分けて考える
・めまいは一般的なめまいの治療に同じ(アタP点滴、トラベルミンなど)
・予防が大切=生活指導
・ダイアリー、めまいのパターンを確認
・めまいのリハビリ(VORの訓練)、頭痛体操
・処方
急性期・・・メリスロン
予防:2~4週
1)Ca拮抗薬(ミグシス)・・・第1選択
2)トリプタノール(吸湿性に注意)10mg(眠い場合5mg)
3)漢方薬・・・呉茱萸湯
<生活指導>
・規則正しい生活=寝過ぎも寝不足もダメ、日曜の寝だめもダメ
・ストレス⇒ホルモンバランスを崩す、女性ホルモンにも影響
・メニエール病と異なるのは光
赤系サングラスがよい、青系は増悪、LEDのブルーライトにも注意
<メニエール病と前庭性片頭痛の鑑別>
・めまいの持続時間・・・12時間を越えれば前庭性片頭痛
・めまいの性状・・・区別できない
・随伴症状・・・難聴の有無
・内リンパ水腫は前庭性片頭痛でも認められる
⇒内リンパ水腫の治療薬も効果的な場合もある
<前庭性片頭痛の典型例>
40歳後半、女性、だらだらめまいが持続
耳症状あるも検査すると正常
耳がつまる感じ、耳痛
重心動揺検査・・・発作のゆれが少ない
=非間欠期:正常の中でも下限くらいゆれていない印象
自分から片頭痛のことを言わない
前庭性片頭痛とメニエール病が鑑別できない場合もある
頭痛国際分類:前庭性片頭痛メニエール病重複症候群
(vestibular migraine/Meniere’s disease Overlapping Syndrome; VMOS)
メニエール病の治療でよくならない場合は片頭痛予防も一つ
<メニエール病と不安(めまい恐怖)>
不安が強い人と弱い人がいる
不安をコントロールするとめまいもコントロールできる場合もある
耳鳴りをコントロールするとめまいもコントロールできる場合もある
⇒早期に補聴器