10月13日に東京慶應義塾大学病院で行われました、
第10回日本耳鼻咽喉科心身医学研究会に出席してきました。
・・・とは、いいましたが、今回バタバタしていて、
土曜日なので前もって早めに診察を終わる旨の
お知らせができなかったため、
13時半近くまで診察した後、
電車に飛び乗っての東京行でした。
(って、電車には飛び乗れませんが)
このため一般演題は聞くことができませんでした。
面白そうな演題もあり残念でした。
今回は教育講演と特別講演について、
僕の備忘録としてここに残しておきます。
<教育演題>
『耳鼻咽喉科心身医学の臨床研究推進に向けたメンターの役割と環境整備』
講師は秋田大学医学部公衆衛生学講座の野村恭子先生
今は昔と違って、臨床研究はチームでやるのが主流だとか。
論文を読むとき・書くときに、
エビデンスは研究デザインによって高い低いがある。
ケーススタディ<ケースシリーズ<記述研究
<仮説検証研究<横断研究<症例対照研究
<コホート研究<介入研究<Randomized Controle Study(RCT)
<メタアナリシス
の順にエビデンスが高くなる。
クリニカルクエスチョンのキーワード
・原因(エクスポージャー)と結果(アウトカム)を設定する
たとえば、原因:ストレス⇒結果:疾患名
・レビューはpudmed一つでOK
科学的根拠(エビデンス)がどこからそこまでわかっていて、
どこから先がわかっていないのか?
これをはっきりさせる。
⇒確かに、実はきちんと押さえてないことはあるのかも。
論文の批判的吟味の方法
RCTの場合:CONSORT(Consolidated Standards of Reporting Trials):臨床試験報告に関する統合基準
RCT以外:STORBE(Strengthening The Reporting of OBservation Studies in Epidemiology) Checklist
というチェックリストがあるそうです(日本語版もあり)。
実験を行った観測値というのは真実+エラーの和(バイアス+チャンス)
バイアス=systematic error 偏りをもっておこる統計的な誤差
チャンス=rondom error 偶然によっておこる誤差
バイアスがかかっている可能性があることを忘れない。
⇒選択バイアス:きちんとサンプリングできているか
⇒測定バイアス:きちんと測れているか
⇒交絡バイアス:原因と結果に療法に関連のある因子がからんでいないか
臨床研究におけるメンターの重要性
メンター:仕事や人生における「指導者」「助言者」「教育者」「理解者」「支援者」
一人の後進が複数のメンターを持つことはよくある
統計について
今は有料・無料でいろいろな解析ソフトもあり、
特に有料ソフトではセミナーも多い。
ただ、セミナーはピンからキリまで。
統計の専門家(解析屋さん)に依頼するのも一つ。
有料から無料までいろいろある。
何を検証したいのかを明らかにしてから検証する。
倫理委員会について
現代はほとんどの研究は事前に倫理委員会を通す必要がある
開業医では難しいが、
大学の倫理委員会や地方によっては医師会に設置されている
フロアからのQ&A
Q)産業医等でアンケート調査を行う場合にバイアスを排除するにはどうしたらいいか?
A)匿名化、複数の事業所で集める、労使関係に影響を与えないことを明示、第3者機関に依頼する、など