未来患者学2018 vol.3 

3時限目は、ものの見方外来」。

講師は、宮崎でメンタルのクリニックを開業され、
休職中の人のためのワークデイケア、
ヨガやマインドフルネスなどを
取り入れた医療をされている中村究先生と、
断捨離のカリスマやましたひでこ先生。

まずは中村先生の精神科的な基本のお話。
何が私たちを苦しめるのか?
身体のこと、人間関係、人生の問題、パートナーとの問題、
兄弟姉妹、子ども、親、家族の問題、お金の問題 などなど。
いろいろな問題が私たちを苦しめるが、
ほとんどは人との関係に基づく問題が多い。

”ビリーフ(信念)”について
信念を説明するのによく出される例:
コップに水が半分あるとき、
「半分しかない」と考えるか、
「半分も残っている」と考えるか。
つまり解釈。

ストレスにさらされたとき、
どう解釈するかで起ってくる気持ちは大きく違う。
出来事そのものが悲しいわけではない。
自分の中で悲しいと解釈しているのだと。
それがビリーフ。

ビリーフは変えられるか?
変えられる!
ただし、時間がかかる。少しずつ変わる。

断捨離は認知療法。
断捨離ではまず行動が先⇒気づきが生じ気分が変容していく。

考えが変われば(精神科的な)薬は不要?
⇒必要な時は必要。カウンセリングと薬、両方必要。
特に、うつ・不安は薬がある方が治りやすい。
「薬は身体に悪い」というのもビリーフ。

レジリエンス(回復力、復元力、弾性)
ポジティブ心理学から
打たれ強さ、広い視野、自己認識、楽観性、自己肯定感
自分の感情や思考をコントロールする力

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次にやましたひでこさんの話。

やましたさんは、タクシーに乗った時に、
運転手さんを気分よくさせるのをミッションにしているのだとか。
ただそれでも、運転手さんにはいろいろな人がいる。
毎日違った人を乗せるのでワクワクする、
行き先もそれぞれ違うからワクワクする、
と言う運転手さんもいれば、
つまらないグチばかり言う運転手さんもいる。

断捨離のキーワードは「空間」
⇒そういえば、昔一度やましたさんのお話を直に聞くことがありました。
この時は断捨離は「空間」「時間」「人間」の3つの「間」を
問い直すことだとおっしゃってましたね。

空間には中にモノが入っている。
身体も空間=身体の中には何が入っている?・・・それは心。
実は心も空間=心の中には何が入っている?・・・気持ち。

メタ認知すると、心も身体も住まいも同じ。
心に要らないものが溜まるとうつになる。
食べたものが出ないと便秘になる。
住まいも同じ。
入ってきたものが要らなくなったら出さなければいけない。
ただ、入ってきて、出すまでは楽しもう!
そこがミニマリストとは違うところ。

まあ、そんな話を聞いたあとは、Q&A。
フロアから質問を受け、中村先生とやましたさんがそれに答える。

Q)片付けられない姉の家を半年に1回くらい頼まれて片付けにいくのですが、
結局同じことの繰り返しでむなしい
A)自分で努力しない人に、どれだけかかわるかを問い直してみる。
人間関係にも断捨離が必要。
誰の課題なのかをはっきりさせる。(片付けは姉の課題)

Q)片付けられない人の心理状態は?
A)片付けられない人には理由がある。
潜在意識にかかわるもの。
空間は、見えるものと見えないものとをつなぐもの。
⇒空間にアプローチを繰り返し行う。
=不要、不適なものを取り除く
⇒潜在意識が変わっていく

ものを溜める人
・依存の要素がある
・不安の要素がある(身の回りにおいておかないと心配)
・発達障害の要素(これはエビデンスはないとのこと)

ものを溜めこむ人
・へこんでいるところがある=心の中が満たされない⇒埋めたい
・出ている所がある=コンプレックス⇒隠したい
という意識の表れ

Q)親の遺品の取り扱いについて
A)ものは使うから生きる=生かすも殺すも自分次第
生かすことが出来なければ成仏させる
遺品はモノの死体
なくなった人の供養として断捨離を行う
思い出はモノがなくなっても頭の中にある
使わないのは思い出を大切にしていないこと

Q)頑張って断捨離をしたスペースに夫が私物を置く
(何かどこかで聞いたことのある話。
そういえば、うちの家でも、
嫁さんが片付けたスペースに僕が音響を置いたら、
嫁さんが「私が開けた場所なのに」と言ってたなぁ。)

A)同じ時空間を高い密度で共有する場合、
こすれるのは当然。
縄張り争いは必然。
妻=捨てること、夫=侵略すること、という縄張り争いに他ならない。
夫婦の場合、時にはバトルも辞さないのも一つ。
ストレスを溜めるくらいなら闘うのも一つだと。

ただし、結果は保証しませんよという笑いでしめくくり。
ひぇ~!