暑い暑いと言っている間にもう1ヶ月たってしまいました。
7/7に開催された京都漢方基礎講座の話。
講師は佐久病院内科、松橋和彦先生。
テーマは「ココロの問題を漢方で」
いつものことがら、
これはあくまで僕の講義メモの備忘録です。
正確ではないかもしれません。
漢方の概念に「気・血・水」というものがある。
三元論の様にみえるが、実は二元論。
機能的なものは「気」←→実体的なものは「血・水」
五臓(肝・心・脾・肺・腎)それぞれに気と血がある。
ところで、脳は実際に2つに分けられるものではないが、
機能的に、2つに分けて考えるとわかりやすい。すなわち、
・新しい皮質=意識、理性、知性、経験など
・古い皮質=本能、情緒、感情、欲望など
一般に「ココロ」と関係のある五臓は「肝」と「心」。
新しい皮質⇒衰えやすい=心血虚・・・おちこみ、不安、不眠(必発)
古い皮質⇒亢進しやすい(普段抑えているから)=肝気鬱結
・・・感情の失調=イライラ、不安、易怒
肝気↑と心血↓は密接に関連し同時にもおこる。
こころの問題に用いる漢方・・・本日は3つ
1.加味帰脾湯
心血虚:遠志が入っている(cf.遠志の入ったもう一は人参養栄湯)
漢方の抗うつ剤
心は神志を主る
2.抑肝散・抑肝散加陳皮半夏
肝気鬱結:柴胡が入っている
肝は情志を主る
3.加味逍遥散
1と2の中間的な薬剤
バランスがよく使いやすい
<肝気鬱結の治療原則>
1.気を流す(疏気)と血を補う(補血)
=気と血を同時に治療するのが原則
2.木克土に配慮し、脾胃を調整する
木克土=木(肝気)が失調して亢進すると、相克関係にある脾が障害されやすくなる
これを予防するために脾胃の機能を整えておく
3.熱証への配慮
肝気↑+肝血不足⇒気(陽)を制御していた血(陰)の力が弱まる
⇒ほてり、動悸など