本:体内の「炎症」を抑えると、病気にならない!2 

昨日からの続き

慢性炎症を促進させる、炎症の”温床”・・・それは肥満。
脂肪細胞からは、
炎症を抑える「アディポネクチン」というサイトカインと、
炎症を引き起こす「TNFーα」「インターロイキン-6」「レジスチン」
というサイトカインの両方向のサイトカインが
分泌される可能性があります。

そして、脂肪をたくさん取り込んだぎゅうぎゅう詰めの脂肪細胞は、
血流が減少して酸化ストレスが増え、
炎症をすすめる物質の分泌が増え、
これが色々な生活習慣病を促進させるわけです。

さて、こうした慢性炎症を少しでも抑えるためには、
食生活が重要なカギです。
中でも脂肪酸が重要になってくるそうです。
脂肪酸は、細胞膜の構成成分になったり、
ホルモンをつくる材料になったりします。

脂肪酸には、
大きく飽和脂肪酸(常温で固まる:動物の脂、バターなど)と、
不飽和脂肪酸(常温で液状)にまず分けられ、
後者は、ω-3系、ω-6系、ω-9系の3つに分類されます。

ω-3系はEPA・DHA・αリノレン酸。
魚油、エゴマ油、亜麻仁油などに含まれていて、
これが、炎症を抑える働きをします。

ω-6系の代表はリノール酸で、紅花油、大豆油、コーン油などに
含まれ、揚げ物やサラダ油としてよく使われますが、
体内でアラキドン酸に変換され、
体内では炎症を促進する方向に働きます。
ですので、これらの炎症を鎮めるようにするには、
ω-3系の不飽和脂肪酸を積極的に摂取する必要があるそうです。

どんなものにω-3系不飽和脂肪酸が多く含まれているのか、
調理する上での注意点は?
そのあたりは本をお読み下さい。

そして最後の章には、野菜についても言及されています。
野菜には抗酸化力が強い=抗炎症力が高い物質、
これをフィトケミカルと呼ぶそうですが、
そうした炎症を抑える物質をしっかりとるのも、
慢性炎症から身を守る方法だと述べられています。

たとえば、
<ポリフェノール>
・アントシアニン:なす、ブルーベリー、ぶどうなどの紺色
・イソフラボン:大豆
・ケルセチン:タマネギ、リンゴ

<カロテノイド>
・βカロテン:にんじん、ほうれん草、かぼちゃなど緑黄色野菜
・リコピン:トマト、すいか
・カプサンチン:パプリカ(赤)、赤唐辛子

<イオウ化合物>
・アリシン:にんにく、タマネギ
・硫化アリル:ニンニク、タマネギ、ネギ、ニラ
・スルフォラファン:ブロッコリー、カリフラワー

<ビタミン>
・Vit.E:ゴマ、アーモンド、アボガド、かぼちゃ、パプリカ、かぶの葉
・Cit.C:パプリカ、ピーマン、芽キャベツ、ブロッコリー、カリフラワー、レモン

そして、最後に炎症を抑える生活の工夫=運動。
・急性炎症では運動はNGだが、慢性炎症ではむしろウェルカム!
・運動すると筋肉からマイオサイトカイン
⇒炎症を抑える物質が分泌される
・血流がよくなると血管内皮細胞からNOがでて傷を修復

ただし、過度に体に不可をかける運動は負荷。

リラックスを得るには、「全身グーパー体操」
すなわち、グッと力をいれたあと、ふわ~と弛緩する方法。
これで副交感神経が優位になります。