以前、町田宗鳳さんの『無意識との対話』という
NHKテキストについてお話をしました。
>本:無意識との対話1~5
このテキストの中に、「声のソムリエ」と呼ばれる
山崎広子さんのことが書かれていました。
>本:無意識との対話4
この方は、町田さんの前に、
NHKラジオの”こころをよむ”シリーズを
担当されていました。そのテキストがこれ。
『人生を変える「声」の力』 山崎広子, NHK出版
そして、この山崎さんのもう一つの本が、
『8割の人は自分の声が嫌い-心に届く声、伝わる声-』 山崎広子,角川SCC新書
内容的には概ね同じ様なことが書いてありますが、
後者の方がより詳しく、
また、発声するときのちょっとした小技も
披露されています。
山崎さんは、もともと若いときに
声が出せなくなる病気になってしまい、
それをきっかけに声について興味を持ち勉強されたそうです。
その結果、今では国会中継などをみただけで、
話している人の真意や健康状態までわかるそうです。
声は言葉にできない心を伝える。
そして、本来我々の無意識は、
その心を捉えることができるようになっているそうです。
つまり、「目は口ほどにものをいう」と言うけれど、
声は目よりももっとものを言っているのだと。
それは言葉の内容ではなく、
声そのものの調子であったり、
イントネーション、強弱、音色などに出てくる。
だから、内容ではなく声そのものを意識して読み取ることで、
相手の意図することがもっとよく分かるのだと。
我々は声を出した時に、瞬時に脳でその声を聴いています。
これを「聴覚フィードバック」と言います。
よく、自己啓発本などを読むと、
”ネガティブな言葉を発すると、それを最初に聴くのは自分自身。
そうした言葉は自分にまずは返ってくる。”
なんてことを目にします。
これは、言葉の内容だけでなく、声の調子や音色などが、
そのときの心身の調子などにも影響を与えることになります。
つまり、声と心身の調子は双方向性に影響を与えているのだそうです。
続きは明日。