『耳の下をマッサージすれば病気は治る』 齋藤道雄,主婦の友社
著者の齋藤先生は口腔外科の先生。
口腔外科と耳鼻咽喉科は、
専門とする領域が結構重なっていています。
耳下腺や顎下腺などは、
僕達、耳鼻咽喉科医からすると、
自分の分野だと思っているのですが、
口腔外科の先生も、
そこは同じ様に感じていらっしゃる様です。
ただ、口の中の病気に対する関心は、
口腔外科の先生の方が熱心かもしれません。
今でこそ歯周病が心筋梗塞の原因となり得るというのは、
かなり浸透してきましたが、
初めて聞いた時は、ホントかいな?と思ったものでした。
その他にも、顎関節症とめまいや耳鳴りとの関連なども
言及される記事をみたことがありますが、
これはもう少し証拠が欲しいとろころです。
まあ、患者さんからすれば、
とにかく良くなりさえすれば、
何科でもいいことなんですが。
と、前置きが長くなりましたが、
「耳の下をマッサージれば病気は治る」
その根拠はと言えば、
・唾液に含まれている成分が健康によい
⇒成長因子に似た成分が身体を修復
⇒抗インフルエンザ成分などもある
⇒消化酵素は胃腸の負担を減らす
・唾液自体の抗菌作用で歯周病を予防できる
⇒脳梗塞や心筋梗塞を予防できる
・唾液が少ないと丸呑みしてしまう
⇒「噛む」ことで脳に刺激を与え認知症予防
⇒滑舌がの悪さからくるコミニュケーション不足を予防
⇒食べるのがゆっくりになり肥満の予防になる などなど
・誤嚥性肺炎の予防にもつながる
ま、こんな理由から、耳の下をマッサージすれば
唾液がしっかり出て、唾液が出れば、
よく噛むことで健康になれるというわけです。
その他、唾液のでにくくった状態、
”ドライマウス”
についても、詳しく書かれています。
最近の若い人は、
(実は僕も結構やってしまうのですが)
食事の時に水やお茶などの水分で
食物を流し込んでしまう人が増えているそうで、
そういうことをしていると胃腸も弱りやすいし、
歯も弱くなるといいます。
口の中を潤わせるコツについても、
耳の下のマッサージ以外にもたくさん書いてあります。
また、この本には、
耳の下(耳下腺)をマッサージして
唾液をだしやすくするというマッサージとともに、
副交感神経を優位にさせるツボを刺激することで、
健康にしようというツボも紹介されています。