少し前になりましたが、漢方の勉強会に参加しました。
6/18実力アップのための漢方実技セミナー
いつものごとく、僕の講義メモで備忘録です。
内容についての保障はありません。
今回の講師の先生は、
飯塚病院東洋医学センター 田原英一先生
第1部 腹診・舌診の実技については省略
第2部 高齢者疾患の漢方治療
<症例呈示>
糖尿病・高脂血症・白内障・前立腺肥大症などあり
13種類の薬を使用されていた人が、
⇒八味地黄丸を服用することで、5種類に減らすことができた
漢方を導入することで、
総体としての薬剤費を減らすことができる可能性
「腎」=(腎 副腎 下半身) の概念だが、
+甲状腺、下垂体も含む
1)成長・発育・生殖を司り
2)骨・歯牙の形成と維持医あずかり
3)水分代謝を調節し
4)呼吸脳を維持し
5)思考力・判断力・集中力を保持する
機能単位である
八味地黄丸の投与基準
A項目
1.排尿異常(多尿・頻尿・尿量減少・夜間頻尿)
2.下半身優位の冷えまたは足底の煩熱
3.腰下肢の疲労脱力・しびれ・疼痛
4.小腹不仁または小腹拘急
B項目
1.口渇または口乾
2.下肢の浮腫
3.精力減退
4.視力障害(白内障・眼精疲労・目のかすみなど)
5.慢性呼吸器症状
6.聴覚障害(難聴・耳鳴りなど)
C除外項目 胃腸症状をきたしやすいもの
D判定基準 A項目が2つ以上 または A項目が1つでB項目が2つ以上
<症例呈示>
寝たきりで意欲低下し誤嚥性肺炎で意欲低下、胃瘻で栄養管理
⇒釣藤散にて発語がでてきて、摂食も開始、傾向摂取可能に
釣藤散の覚書
二重盲検で血管性認知症に有効
会話の自発性・表情の乏しさ・計算力の改善
補脾益気の生薬⇒六君子湯の方意
極端な冷えがあれば遠慮
→七物降下湯?
<症例呈示>
嘔気がして固形物が食べられない
唾液ものみこみにくく口~あふれてくる
⇒伏竜院合半夏厚朴湯で改善
茯苓飲合半夏厚朴湯の覚書
気をめぐらし痞えをとる
抑うつ状態にも有効
胃切除後の通過障害に
甘草を含まずむくみにくい
<症例呈示>
夜間奇声。誤嚥性肺炎繰り返し胃瘻。
⇒酸棗仁湯にて夜間奇声↓
十全大補湯追加で経口摂取も可能に
酸棗仁湯の覚書
夜間奇声に酸棗仁湯
効き過ぎると傾眠傾向
効果発現に量と時間の個人差
貧血と関係? +補欠の剤
夜間せん妄の鑑別
・黄連解毒湯・・・熱性傾向+顔面紅潮 赤い怒り
・加味帰脾湯・・・熱性傾向
・抑肝散・・・・・易怒性 青い怒り
・酸棗仁湯・・・・上記なし
・甘麦大棗湯
・茯苓四逆湯 白い怒り
十全大補湯
良い適応:特別な症状に乏しいが疲弊・脱力
使用目標:
1.とりとめのない疲労感、脱力感
2.何らかの原因で疲労困憊(介護疲れなど)
3.皮膚の乾燥・荒れなど
※冷えがあれば附子末を加えることもあり
痿躄(いへき/あしなえ)
下肢の運動麻痺、肢体が萎えて動けなくなる病証
現代でいうサルコペニアやフレイルがあたるか?
生体を物質的に支える赤色の液体=血
組織の構築に血が十分作用する必要がある
↓
血の働きが不十分
↓
血を補う処方=補血薬・・・四物湯、十全大補湯