先々週になりますが、大阪に行く機会があり、
ついでというわけでもないのですが、
現在、大阪市立東洋陶磁器美術館で開催されている、
特別展「ハンガリーの名窯 ヘレンド」
http://www.moco.or.jp/exhibition/upcoming/?e=399
を観てきました。
>概要(同美術館HPより)
1826年、ハンガリー南西部の小さな村ヘレンドで、磁器の生産が始まりました。先行のマイセン窯やウィーン窯などの傑作に学んで高い水準に達したヘレンド窯は、ほどなくして「オーストリア帝室・ハンガリー王国御用達窯」として認められるまでになります。1851年のロンドン万国博覧会では、イギリスのヴィクトリア女王からディナーセットの注文を受けたのを機に、一躍その名をヨーロッパ中に広めました。
その後もヘレンド窯は、東洋磁器に学んだ独自の様式を生み出して毎回の万国博覧会で受賞をし、高い評価を保ち続けます。時流が大量生産へと向かう19世紀末、手作業にこだわり常に最高のものを目指したヘレンド磁器は、その芸術性の高さからヨーロッパの多くの王侯貴族に愛され、名実共にハンガリー芸術を代表する存在となり、今日に至っています。
本展では、ブダペスト国立工芸美術館、ヘレンド磁器美術館、ハンガリー国立博物館などが所蔵する約230点の作品により、ヘレンド窯190年の歴史とその魅力をご紹介します。
ヘレンドに特別思い入れがあるわけでもないのですが、
陶磁器を眺めるのは好きなので、
和洋にかかわらず、最近は絵画以外にも、
こうした陶磁器も観てみることにしています。
「これがヘレンド!」
というイメージは特にないのですが、
なんとなくヘレンドと言えば、
きれいな花や蝶々の装飾かと思っていました。
でも、行って観てみて、実に色々な題材をモチーフにした
食器や装飾品があってビックリしました。
変に面白かったのは、
コーヒーカップやティーポットの”とって”。
魚やら人の顔の横顔やら結構凝った作りなっている。
また、一時期、ちょうど戦争のあと、
会社が国有化していた時期があったそうですが、
民主化が進んだ頃だったのかもしれませんが、
工場の絵だったり、火事の絵みたいなものが
絵柄になっているものなども面白いものでした。
(まあ、あんまり買いたいとは思いませんが)
それにしても、ヘレンドの魅力は、
上の概要の所にも書いてありますが、
すべて手作りにこだわった作品であることです。
高級ブランドメーカーでも手書きでなく、
プリントによるもの(転写技法というみたいですね)も
結構ありますね。
転写技法によるものは、安くて手に入ることから、
広く大衆に行き渡るようになり、
一時、売れるでしょうが、
高級というイメージがなくなるので、痛し痒しというところ。
ウェッジウッドやリチャード・ジノリが
一度経営破綻したそうですが、
高級路線で行くか、大衆路線で行くか、
経営者としては悩ましいところでしょうね。
もう一つ不思議だったのが、
東洋を意識した作品が結構多かったのですが、
題材はほとんど中国なんですね。
有田焼などの影響も受けていそうなので、
もっと十二単衣とか武士なんかも
あってもいいと思うのですがね。