『2週間でしつこい「悩みグセ」とサヨナラする本』 坂本弥生,かんき出版
最近、来院される患者さんの中で
精神的にしんどそうな人が増えたような気がします。
あるいは、
「今飲んでいる薬をみせてください」と言って、
手渡されたお薬手帳を見てみると、
心療内科やメンタルクリニックなどで
抗不安薬や抗うつ薬などを、
もらっている人が多くなったような気がします。
社会がちょっと閉塞感があることも
原因の一つかもしれません。
人間関係に気を遣うことが多いとかも
あるかもしれません。
親やパートナーの介護で苦労されている方も
結構いらっしゃいます。
現実として、そうそう簡単に問題が解決されることは少ないのですが、
だからこそ、せめて気持ちだけでも明るくいたいものです。
気持ちを明るくするにはどうしたらいいか?
楽しいことを考える。
お笑いなどを見る。
もちろん、そういうこともとてもいいことです。
ただ、楽しいことを考える、それができないから困っているのも確か。
お笑いもテレビをつけてたまたまやっていたらいいですが、
逆に心痛む出来事が流れてくれば逆効果になるかも。
そんな中、自分でできることがあります。
気持ちはともかく、
身体をちょっとだけウキウキフォームにすることです。
以前、上を向いて歩こう、
姿勢が心を制御すると言う話をしました。
http://www.itaya.or.jp/?p=1003
http://www.itaya.or.jp/?p=1010
普通は、心が姿勢や顔の表情を規定していると思いますが、
実は逆もありだと。
そうんなことをこの時に書きました。
同じようなことがこの本にも書いてあります。
表情を作れば、気持ちも変わるのだと。
人間の脳というのは、同時に2つの気分をもつことができません。
「うれしい」気持ちと「悲しい」気持ちを同時には持てません。
身体が嬉しいときの表情をすれば、
感情的にも嬉しい気持ちが沸き上がってくるのであれば、
つらい気持ち、哀しい気持ちは相対的に小さくなります。
イヤな気持ちから完全に脱出することはできないとしても、
イヤな気持ちが自分の心を常時占めなくなります。
以前、どの本だったかは忘れてしまったのですが、
齋藤孝さんの本に、
「こころって何でしょう?・・・心は考え方のクセだと私は思います。」
という文が書いてありました。
クセを直すというのは中々難しいものです。
僕も猫背のクセがありますが、そう簡単には治りません。
本当は猫背改善矯正ギブスみたいなもの、
巨人の星に出てくる大リーグボール陽性ギブスのような、
(たとえが古すぎる!)
そんなもので、外から矯正すればいいのかもしれませんが、
まあ、何十年も培ってきた体の姿勢は意識しないと難しい。
それ以上に難しいのが考え方のクセでしょう。
考え方にも強制ギブスがあればいいのでしょが、
そうしたものはありません。
そんな中で、強制的にでも笑顔をつくることは、
ひょっとしたら気持ちを柔らかにするための
一つの矯正の道具になるかもしれません。
ちょっと長くなってきたので続きは明日。