本:めまいのリハビリテーションに関する2冊

近年、めまい治療のトレンドはリハビリテーションの様に思います。
以前より、北里大学などでめまいのリハビリは提唱されていましたが、
なかなかトレンドになるところまでには至りませんでした。

近年、良性発作性頭位めまい症に対して
浮遊耳石置換法が有効であることが定着してきて、
これもリハビリの一つに組み込むことで、
社会での認識も上がってきたように思います。

そこで、めまいのリハビリに関する本を2冊挙げてみます。

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『めまいは寝てては治らない』 新井基洋,中外医学社

筆者の新井先生は、netete
横浜みなと赤十字病院耳鼻咽喉科部長を
されていいます。

この本以外にも多くの本を出版されていますが、
題名がいいので、この本を代表として挙げてみました。

筆者は、上記の病院で、
入院での集団めまいリハビリテーションを
積極的に行われています。
その様子は、時々テレビでも放映されています。
僕もこの本についていたDVDで、
集団リハビリの様子を見ました。

めまいでリハビリが大切だということは、
こうした本が出てくる以前から十分認識してはいましたが、
これを集団でのリハビリという形にすることには
僕は全く思いが至りませんでした。

確かに、これから頑張ってやろうとしている患者さんにとって、
めまいを克服した先輩の患者さんから教わるというのは、
勇気づけられますし、励みにもなります。
先輩の患者さんもやりがいがあります。

この本の中で、というか、
DVDでも先生が強調されていましたが、
首や目を動かす時に声をだすこと。
これが重要だということも、この本を読んで教えられました。
僕なんかは黙々とやればいいと思っていました。

声を出すということ、もっと言えば、
DVDで先生がおっしゃられていましたが、
「私はめまいを怖れない!」
「私はめまいに対する不安を怖れない!」
と言った宣言までも声に出して言った方がいいそうです。
おそらく、脳にこの言葉が刻み込まれるのでしょう。

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『自宅で治せる めまいリハビリ』 五島史行, 金原出版

五島先生もめまいのリハビリに積極的に携われています。memairiha
リハビリの方法については、
新井先生とそれほど大きく変わりはありませんが、
めまいやめまいを起こす疾患について
詳しく書いてあります。

また、五島先生は、
昨年の日本耳鼻咽喉科学会総会では、
「耳鼻咽喉科医が知っておきたいうつの知識」
という題名で講義をされていました。
(そこのところは、ちょこっとだけ以前書きました。)

学会報告:日本耳鼻咽喉科学会総会 in 名古屋
ジャマイカ療法

このように、五島先生は心身医学にもお詳しく、
この本では、ストレスに対する対処法などについても
詳しくかかれています。

めまいを薬に頼らずに治したいという方には、
この2冊がオススメかと思います。