認知症と耳鼻咽喉科

先週の日曜日2/5、
名古屋の中部大学三浦記念会館で行われた
『睡眠・認知症予防シンポジウム3』
を受講してきました。

このシンポジウムは、一般市民にも開かれたもので、
200名を超える参加者で、会場は満員でした。

シンポジウムの主催の宮崎総一郎先生は、
中部大学健康科学研究所
睡眠・認知症予防プロジェクト中部大学推進センターの特任教授です。

昨年までは滋賀医科大学睡眠学講座で
睡眠時無呼吸症候群を中心に睡眠衛生の重要性について、
色々な分野の方とともに啓蒙されてきました。

耳鼻咽喉科医としても先輩であり、
滋賀医科大学睡眠学講座に着任されて以来、
仲良くさせていただいています。

先生は今年から中部大学に移られ、最近では
睡眠から認知症予防にアプローチしようと専心されています。

ところで、
認知症は、2012年の時点で有病率は462万人とされ、
これはまだまだ増加するそうで、
2025年(あと9年!)で700万人を超えると予想されており、
危急の対策が必要とされています。

そんな中、2015年厚生労働省は、
認知症施策推進綜合戦略(新オレンジプラン)を発表。
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12300000-Roukenkyoku/nop1-2_3.pdf

その中に、発症予防の推進として、
☆危険因子:
1)加齢
2)遺伝
3)高血圧
4)糖尿病
5)喫煙
6)頭部外傷
そして、
7)難聴等
とあり、難聴が認知症の危険因子としてはっきり認識されていて、
ここに耳鼻咽喉科医は積極的に参加していく必要があります。

ちなみに、防御因子としては、
1)運動
2)食事
3)余暇活動
4)社会的参加
5)認知訓練
6)活発な精神活動
等となっています。

この中で、食事は嚥下機能が含まれ、
ここにも耳鼻咽喉科医が関与するところがあります。

また、余暇活動にしても、社会的参加にしても、
難聴があると障害になりやすいので、
早期発見で難聴の進行を遅らせる、
あるいは既に進行してしまっている難聴に対しても、
補聴器や人工内耳・人工中耳などを駆使して、
認知症の予防に関わっていく必要があります。

続きは明日。