僕が医師になるまで21

話が途中からなので、
前回のエントリーを読まれていない方で、
読んでみようとう方は↓をまず、読んでいただけたら幸いです。
http://www.itaya.or.jp/?p=2475

前回、
”野草の図鑑を片手に野草を眺めている”
と書きました。
そういえば・・・と思って、本棚を探してみました。
当時眺めていた本がまだ残っていました。
『日本の野草』
『薬草手帳(上・下)』
WS000019
昔は、本に蔵書印を押していました。
ささやかな所有欲を満たしていたのかもしれませんね。

とまあ、そんなことを
卓球部のコンパの時かなんかに話したのだと思います。
(実はあんまりそこら辺のことよく覚えていないのですが)

「漢方に興味があるのなら、薬理学の永田先生を訪ねてみるといいよ」
そう教えてくれたのが、卓球部の先輩でした。
永田先生は、当時薬理学教室の助教授をされていましたが、
東洋医学や鍼灸にも詳しいとのことでした。

確かその頃、まだ薬理学の授業は始まっていなかったと思います。
それでも、新しいことを学ぶのは好きなたちですから、
そんな先生がいるのなら話を聞きに行ってみようと思い、
薬理学教室の助教授室のドアをノックしました。

そこで、漢方に興味があること、
野草の図鑑などを眺めているが、
もう少ししっかりとした漢方の勉強がしてみたい、
などといったことを話した様に思います。

永田先生は、まず、
漢方と生薬や民間薬をごっちゃにしているところを指摘し、
『漢方薬と民間薬』(西山英雄著(創元社))
という本を貸してくださいました。

そして、何回か顔を出したところで、
どうせなら、漢方に興味のある人間で
勉強会をしようということになりました。

どういういきさつでそうなったのか、
そこの所が思い出せないのですが、
結局、永田先生を紹介してくれた先輩が、
「日本文化研究会(日文研)」というサークルを立ち上げていて、
(あるいはすでにサークルはあったのかもしれませんが)
そこで、漢方を勉強しようということになりました。

僕は当初、漢方は中国医学だと思っていたので、
漢方を日文研で学ぶということに、
多少違和感があったのですが、
まあ、自分で漢方研究会というサークルを立ち上げる甲斐性もないし、
別に学ぶのはどこでもいいことなので、
それ以上こだわることもなく、みんなについて行きました。

まあ、今となれば、
「漢方」というのは「漢」の字はついていますが、
特に「古方派」と呼ばれる一派は、
中世に中国から取り入れた医学(傷寒論や金匱要略など)をもとに、
日本でさらに発展させた医学であり、
腹診と呼ばれる診断方法は日本独自の部分も多く、
これも日本文化と呼んでもいいのではないかと思います。

そうして、日文研のメンバーに加えてもらい、
隔週ぐらいだったと思います。
永田先生の官舎で講義を受けることになりました。