本:薬も手術もいらない めまい・メニエール病治療

『薬も手術もいらない めまい・メニエール病治療』 高橋正紘 著,角川新書

僕は高知医科大学を卒業して、Takahashi
故郷の滋賀に戻ってきて
滋賀医科大学の耳鼻咽喉科教室に入局しました。
当時、医局で研究を行っていたメインテーマの一つが、
めまい・耳鳴だったこともあり、
僕の興味も自然とめまい・耳鳴に傾いていきました。
(すぐに影響されやすいんです。)

その頃から、めまいの学会・研究会で
高橋先生の存在は存じていました。
その高橋先生が今年の日本耳鼻咽喉科学会で
ポスター発表されているのをたまたま拝聴しました。

その時にも、
「メニエール病に薬は要らない。
ウォーキングと水分摂取で良くなる!」
そう断言されていたのが印象的で、ちょっと気になっていました。
そうすると、アンテナが働くのでしょう。
この本が眼に飛び込んできました。
初版が2012年なので、4年かかってしまいましたけど。

さて、本の内容ですが、
前半は薬は効かない、手術も効果がないと、
手厳しく書いてあります。

まあ、確かにすごく良く効くという薬はありません。
ただ、人によっては十分効果のあることもありますし、
漢方薬などはうまくはまれば結構いいようにも思います。
イソバイドも短期的には効くときは効きます。

著者の高橋先生が「効かない」と言われるのは、結局、
「再発しないように完全に治ってしまう」
様にできる薬や手術はない、
ということを述べられているのだと思います。

それは、花粉症の薬が対症療法の薬が中心で、
とりあえず症状を抑える薬であり、
治してしまう薬ではないこととも似ています。
(まあ、花粉症の場合は舌下免疫療法がでてきたので、
厳密には、治してしまう治療は出てきたのですが、
それでも、他の抗原に対するアレルギーも含め、
全てのアレルギー体質を治してしまう薬ではありません。)

確かにめまいを完全に起こさないようにする薬はありませんし、
現在、めまいに対して処方する薬も、
決して満足できるものではありません。
他にないのでいろいろと組み合わせて何とかやっているのが現状です。

それに対して、著者は、長年メニエール病の患者さんの
お話を聴いたり、問診票を駆使して、
患者さんに共通する性格や行動様式に注目して、
結果的に4つのことに注意して
生活習慣を変えていくことが大切だという結果にたどり着きました。

ちょっと長くなったので続きは明日。