今回のめまい平衡医学会総会には、
木曜日1日だけですが、参加しました。
もともとマニアックな会で、
三半規管、卵形嚢・球形嚢、前庭神経、前庭神経核、
空間の認識に関する脳機能なども含めて、
生理、病理、疾患、検査、統計、症例報告など、
めまい・ふらつき、バランスなどに関する事柄を
いろいろと掘り下げて研究、報告しあう学会です。
今回の学会で僕が感じたのは、
1.VEMP・vHITと呼ばれる比較的新しい前庭機能検査が、
かなり浸透してきて共通の尺度で評価できるようになってきたこと。
⇒いままで主に温度刺激検査に頼っていた前庭機能検査ですが、
これらの検査で半規管・卵形嚢・球形嚢を
個別に評価できるようになってきました。
2.めまいのリハビリテーションが一つのトレンドとなってきていて、
現在、よりよい方法、多彩な方法が模索中であること。
⇒より効果的・効率的に、治る方法が早く確立するといいなと思います。
また、リハビリ以外にも、そろそろ何か
治療法についての画期的なブレイクスルーが欲しいところです。
3.今回は小児良性発作性めまいのような疾患の報告が増えたこと。
⇒片頭痛関連のめまいもそうですが、
これは、日常診療において
広い視野でめまいをとらえるために大切だと思います。
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今でもそうですが、
昔からこの学会は、その道に超詳しい先生方が多く、
色々と鋭い質問や的確なアドバイスがもらえたりして、
厳しいながらも楽しい学会で、僕は好きです。
そんな学会ですから、一般演題でスライドでの発表や、
演者へのフロアからの質問となると、
僕なんかはちょっと気後れしてしまいます。
それに比べると、ポスター演題は多少気が楽で、
いろいろと質問させていただいたり、
逆に気さくに質問していただけますので、
僕はポスター発表が好きです。
そうして質問をしているうちに少しずつ顔なじみになり、
知り合いができるのも学会参加の楽しみです。
そして、そうした知り合いができると、
学会の懇親会も楽しくなります。
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余談ですが、
今回の学会に、僕はカタツムリのネクタイをして行きました。
カタツムリは漢字で書くと蝸牛です。
つまり内耳の象徴なので、ちょっと受けるかなと思ったのですが・・・
残念ながら誰も突っ込んでくれませんでした。
↑
でも、今そのことをここに書いていて気がつきました。
蝸牛は聴覚のシンボルであって、平衡覚ではありませんでした。
そりゃぁ、ちょっと外していたわけです。
それなら、聴覚医学会なら受けるでしょうか?
・・・やっぱり受けないでしょうね。
だれも、そんなとこ見てませんって!
(なんか、つまらないオチになってしまいました。スミマセン。)