昨日の続きです。
興味のない方は飛ばして下さい。
・P-066脊髄小脳変性症SCDにおける重心動揺の検討(木下)
⇒SCDと特発性両側前庭機能低下症(IBV)の比較検討
・P-070小児めまい症例の臨床的検討(落合)
・P-071小児良性発作性めまい症と思われた1例(片桐)
・P-072小に良性発作性めまい症と診断された2例(小泉)
・P-073良性発作性めまい7症例の検討(永沼)
<落合先生の発表は他の疾患も含めてのお話ですが、
今回、4例続けて小児良性発作性めまい症について発表がありました。
外国のめまいの教科書にはでてくるのですが、
今まで日本ではあまりなじみのない疾患名でした。
最終的には偏頭痛と関連のあるめまいの様です。
今後しっかり勉強していきたいと思います。>
・P-074小にめまい症例の対応について(藤田)
⇒小児めまい症例では、ODからのアプローチが有用
成人とは違う臨床的特徴をふまえた対応が望まれる
・P-085メニエール病が疑われた前庭内腫瘤の一例(山戸)
⇒めまい・難聴を反復・進行し、グリセロールテスト陽性だったが、
ステロイド治療にも無反応であったためにMRI撮影したところ
T1強調で+、T2CISSで欠損の陰影を前庭内に認めた。
<急性の難聴はタイムリミットが多少あるので、
どうしても治療が優先となってしまうのですが、
やはり検査結果や症状がかんばしくない場合はきちんとMRI等までして
チェックしておくことは大切ですね。>
・P-087突発性難聴様の初発症状を呈し、
回転性めまいを併発した橋梗塞の一例(高橋)
⇒初発は左scale outの難聴、後に方向交代性上向き眼振、
口周囲から同心円状のオニオンビール型の知覚低下、
1ヶ月前に小脳梗塞の既往
・P-090末梢前庭障害様眼振を認めた中枢性疾患2症例(清水)
⇒AICAの選択的閉塞
<こういうのは怖いです。
未治療の心房細動、立っていられない(体幹失調)には要注意。>
・P-093回転性めまいを主訴に受診した鼻性めまい症例(安岡)
⇒vertigo、嘔吐あるも眼振なし。右眼の見えにくさ訴えるも眼科異常なし
CT・MRIで上顎洞軟部陰影。上顎洞穿刺直後より症状軽快。
三叉神経刺激説。
<三叉神経刺激説が正しいなら、
B-Spot療法(塩化亜鉛療法)でめまいがよくなるという人がいるのも
あながち間違っていないのかもしれない(あくまで推測の推測ですが)>
・P-099両側鎖骨下動脈盗血症候群の1例(岸部)
⇒浮動性めまい+手で重いものを持つとめまいがするという症状
・P-110上眼瞼向き垂直性頭位眼振:10症例の発生機序(市村)
⇒1)VBI、2)複合型BPPV、3)球形嚢障害、4)両側メニエール病?
<垂直性眼振が出たら、まずは中枢性疾患の除外ですが、
神経内科・MRIでも異常がみられない場合は結構あります。
そうすると、上記のようなものを考えるわけですね。>
・P-116音像に対する深部知覚刺激の影響(田中)
⇒深部知覚を刺激すると、両耳聴で形成される音像が反対側に偏倚
刺激川に聴覚受容感度が上昇と推測
<こういう研究はVRに応用されていくのでしょうね。>
・P-127持続性知覚性姿勢誘発ふらつき症例の検討(浦谷)
⇒persistent postual-perceptual dizziness:PPPD
持続性の非回転性のふらつき、浮動館のいずれかあるいは両方が
3ヶ月異常続く疾患。典型例は、末梢性前庭障害など
急性あるいは発作性のめまいや平衡障害に続発。
自然寛解が少なく、不安・抑うつ、自律神経症状など多彩な訴え
<おそらく、めまいについての海馬での記憶と
扁桃体が強くリンクしているのでしょう。>
・P-133めまい患者と健常者における活動量の違い(浅井)
⇒めまい患者は健常人と比較して、
中等度以上の活動量んは違いが認められず、
身体運動が少ない坐位や臥位などの時間が長い
<原因なのか結果なのはわかりませんが、
やはり「めまいは寝てては治らない」ということでしょうか。>
・P-140成人の乗り物酔いに対して苓桂朮甘湯が有効であった症例(中山)
⇒舌診で水毒。運動・めまいリハビリ+苓桂朮甘湯で改善。
以上、ポスター演題で気になった発表でした。