ちょっと遅くなりましたが、10/27~28に大阪で開催された
第75回日本めまい平衡医学会総会・学術講演会について、
いつもの様に、自分の備忘録として、
自分のアンテナにひかかったことを記録しておきます。
あくまで僕がたまたま気になった演題です。
興味のない方は飛ばして下さい。
主にポスター演題についてです。
・P-003微小重力環境における前庭有毛細胞についての検討(田浦)
⇒分化誘導は抑制される傾向にある
<こうした研究が宇宙進出に役にたっていくのでしょう。
50年先を見据えた研究です。>
・P-004骨粗鬆症モデル動物における耳石形態変化の検討(西原)
・P-054BPPV症例における骨代謝異常の検討(岡田)
・P-055難治性BPPVに対する骨粗鬆症治療の効果(久保)
<BPPVの好発年齢の一つが50-60歳の女性と言われ、
骨粗鬆症との関連が注目されています。
つまり、エストロゲンの低下⇒骨粗鬆症を引き起こすと同時に
耳石の異常をおこし、崩壊⇒三半規管に迷入という考え方ですね。>
・P-011メニエール病入院患者の睡眠の検討(岸野)
⇒睡眠時間の単なる長短だけでなく睡眠の質の検討も重要
・P-012メニエール病発作と気象因子の関連性について(北島)
⇒めまいは梅雨から夏季に、耳鳴・難聴は冬季に悪化しやすい
<僕はめまい・難聴・耳鳴の間で違いがあると思っていませんでした。
全体的には、神経耳科の患者さんは、春先と秋口、梅雨前が
多い印象を持っています。前者は自律神経の乱れ、
後者は身体の水分代謝の問題と思っているのですが・・・>
・P-015長期経過にてメニエール病確実例に移行した症例(江上)
⇒c-VEMPの異常率が高く、球形嚢障害が先行している可能性
<VEMPがうちではできないのが残念ですが、
予後を占う因子になりそうで面白いと思います。>
・P-032両側前庭機能低下例に対する傾斜感覚適正化装置(佐藤)
⇒この装置から、新しい平衡訓練の一つとして期待される
<後述しますが、平衡訓練が最近のトレンドとなっています。
いろいろな訓練方法がでてくるのはいいことだと思います。>
・P-034両耳聴刺激における体平衡への影響(田村)
⇒音像定位によって空間識↑
<人間の身体って面白いですね。
様々な情報を用いて身体を制御してます。>
・P-038めまいを伴う耳管開放症におけるVEMPの検討(大田)
⇒56%でVEMP異常
<僕は話がややこしくなるので、
中耳と内耳は分けて考えたいのですが、
中耳圧の変化が内耳に影響を与えるという考え方はあります。
併存なのか、因果なのか?>
・P-040 video Head Impulse Test(vHIT)による半規管麻痺評価の有用性(暁)
・vHITを用いた前庭神経炎発症後の平衡機能の変化(新藤)
・聴神経腫瘍患者における温度刺激検査とvHITとの関連(北野)
<vHITについえも大分データがでそろってきましたね。
うちではvHITはできませんが、手動で時々HITを行います。>
・P-051外側半規管ヘビークプラ、ライトクプラ症例における温度眼振反応(一条)
<一条先生はこの問題をずーっと継続して考えられているのには敬服します。
Baranyがノーベル医学生理学賞をもらってちょうど100年目。
先生は、温度眼振反応のBarany理論に異議を唱えられています。
ひょっとしたら理論が覆るかもしれません。>
・P-066脊髄小脳変性症SCDにおける重心動揺の検討(木下)
⇒SCDと特発性両側前庭機能低下症(IBV)の比較検討
残りは明日。