本:ブリーフセラピーの極意

今年の春、神保町の本屋で見つけたのがこの本。

『ブリーフセラピーの極意』 森俊夫 著、ほんの森出版

「ブリーフ」ってな~に? に始まり、
8割は解決志向型ブリーフセラピー(SFBT)について書かれています。
それも、方法論としても、かなり具体的に書かれてあります。

SFBTについて、ちょっとお話しようと思ったのですが、
話し出したら、長くなりそうなので、
また日を改めて書いてみようと思います。

この本は「極意」とあるように、
ある程度ブリーフセラピーを学んだ人を対象にしています。
しかし、初めての人でも、充分分かるように書かれています。

筆者も、後書きに書かれています(以下抜粋)。

本書は「極意」とタイトルされているわりには、入門的な部分の話が多くなっています。しかしながら、私は「入門」の中にこそ、「極意」が存在していると信じています。
(途中略)
「極意」と「基本」というのは、ほぼ同義です。「基本」ができていなくて、「極意」の領域に達することは決してありません。また、「極意」の領域に達したときというのは、たいてい「これが基本だったんだ!」ということを知ったときのことなのです。(以下略)
(P.204おわりに から)

また、本書には、SFBT以外にも、
「問題の外在化」メソッドについても触れられています。
この方法論も、昔どこかで聞いたことがあったように思いますが、
あまり体系的には学んだ記憶がなく、
これも明日からの診療に役立ちそうです。

興味をお持ちの人は、一度お読みください。

・・・とまあ、表面をなぞっただけの書評なんで、
何のことかさっぱり分からないかもしれませんね。

ま、そこは明日お話するということで・・・

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ところで、この本にいたく感激した僕は、
これを書かれた著者、森俊夫先生の、
勉強会や講演会があれば一度聞いてみたいなと
本を読み終えるころには思っていました。

ところが、何と、著者の森先先生は、昨年亡くなられたと最後の所に。
残念でした。
たまに、こういう出会いがあるんです。
もう一歩早ければというようなのが。

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数年前、「催眠」に少し興味があり、
関西催眠研究会の催事に参加したことがありました。
そこで、主催者の一人、
精神科医で認知行動療法に詳しい
久保田先生という先生がいらっしゃいました。

久保田先生は、マジックにも造形が深く、
「ジョニー久保田」という名前で、マジックの披露もなされていました。

ところが、久保田先生はこの時、体調を崩されており、
その関西催眠研究会の催事が最後の舞台となってしまいました。
研究会のあとに懇親会で、少しお話させていただいたのですが、
優しい眼をされた先生でした。
もう少し、ゆっくり認知行動療法についても、
お話を伺うことができたらよかったのになと残念でした。